
グリーンインフラ
グリーンインフラ
近年欧米を中心に注目を集めるようになったグリーンインフラストラクチャーは様々に定義されています。アメリカ合衆国環境保護局(EPA)は、その定義を「地域社会が健全な水環境を維持するために選択しうる手法であり、多様な環境からの利益を得つつ持続可能な地域社会の維持に寄与するとしている。」とし、この手法のメリットとして、同一の土地に「多様な機能」をもたせることができることを挙げています。一方で、イギリスのナチュラルイングランドは、グリーンインフラストラクチャーを「質の高い緑、青の空間もしくは外の環境特性のネットワークである。それは、国家レベルから近隣空間レベルまでのあらゆる空間的スケールで計画し実現されるべきである。地域社会が広範な環境の、また人生の質にとっての利益(生態系サービス)を享受しうる多機能資源(multifunctional resources)として計画され管理されれば、最も大きな利益が得られるだろう。」と定義しています。つまり、グリーンインフラストラクチャーは、自然資源に由来する社会基盤、あるいはそれを活かす手法であると言うことができます。このグリーンインフラストラクチャーとの対比で、これまでの社会基盤をグレイインフラストラクチャーと呼ぶこともあります。日本学術会議が2014年9月に発表した提言(一ノ瀬も作成に関わりました)ではグリーンインフラストラクチャーの中でも、生態系や自然環境に基づくものとして生態系インフラストラクチャーの用語を提案しています。研究会では、論文の輪読によりグリーンインフラを理解するとともに、研究プロジェクトに取り組みながら、グリーンインフラの考え方の適用を試みます。 研究会は、論文の輪読と研究プロジェクトの進捗状況の発表、グループワークを中心に進めます。加えて、特別講義やフィールドワークも予定しています。