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「朝鮮民族の居住地域」と言われて、どのような国や地域を連想するだろうか。おそらく多くの人は韓国や北朝鮮、つまり朝鮮半島の国家を強くイメージするだろう。しかし、実際のところ朝鮮民族は想像以上に世界に分散しており、各地で独自の社会を形成している。本講義ではこうした世界各地における朝鮮民族居住地域の特性を理解するために、民族を規定する最大要素ともいえる「言語使用」の側面を取り上げ、分析していく。
大航海時代に端を発する「世界の一体化」は、その中核となる地域の変化を伴いながら、国民国家がグローバルなネットワークを支配する単位となった「長い19世紀」―革命の時代の始まりから第一次世界大戦の勃発まで―を経て、第二次世界大戦後、「グローバル化」としてさらに進展した。今日、ヒト・モノ・カネ・情報の自由な移動は加速化し、その規模も拡大し、さまざまな人間社会が相互により一層結びつけられている。その一方で、民族や言語、宗教などの同質性を強調することで国民としての一体感を形成し、その一体感のもとで安定を図ってきた国民国家の影響は依然として根強い。
不可逆的に進行するグローバル化のなか、国民国家は、国籍やエスニシティなどの異なる人びとが互いの文化的差異を認め合い、対等な関係を築きながら共に生きていく社会を実現し得るのだろうか。実現し得るのであれば、それはいかにして実現可能なのだろうか。こうした問いへの答えを模索するのが本授業の目的である。
この授業は、中東のなかでもアラビア語を母語とするアラブ人が主に構成する「アラブ世界」や「アラブ諸国」と呼ばれる地域について、その社会と文化に対する理解を深めることを目的としている。アラブ世界に対する日本での関心は、テロや石油といった政治経済面に偏りがちであり、その地に生きる人々の日常生活や文化に対しては、残念ながらいまだに無理解や偏見が根強くある。この授業では、アラブ世界の歴史遺産のみならず、現代の生活文化や最新のアートまで幅広い事例を紹介し、近代化、大衆化、情報化、グローバル化といった時代の変化の中で形成されてきた現代アラブ文化の実像に触れることで、アラブ世界に対する画一的な認識に変更を迫りたい。特に、アラブ女性についてのステレオタイプから脱却するために、ジェンダーの観点から装いや音楽、映画などの事例について考察する機会を提供する予定である。
「朝鮮民族の居住地域」と言われて、どのような国や地域を連想するだろうか。おそらく多くの人は韓国や北朝鮮、つまり朝鮮半島の国家を強くイメージするだろう。しかし、実際のところ朝鮮民族は想像以上に世界に分散しており、各地で独自の社会を形成している。本講義ではこうした世界各地における朝鮮民族居住地域の特性を理解するために、民族を規定する最大要素ともいえる「言語使用」の側面を取り上げ、分析していく。
中華文明の思想は、日本を含む東アジアに大きな影響を与えてきました。その歴史や思想を概観することは、東アジア地域研究を行う上で一つの視座を与えてくれるでしょう。この講義では、周代から明代までの中国史を概観するとともに、儒家思想がどのように作られ、発展したかを講義します。また、当時の思想がなぜその時代に発生したのか、その歴史的意義も考察します。講師は、受講者に中国史や中国哲学についての知識を持っていないことを前提に講義を行うので、専門分野に全く関わらない人の受講も歓迎します。
20世紀に戦争で一度荒廃したヨーロッパは、歴史への反省から出発して、今やすっかり息を吹き返している。歴史的な国民国家の重み、EUをはじめとする国際的ネットワークの存在、多彩なヒューマン・リソース、整備された教育システム、多言語多文化の共存・交流など、さまざまな強みを持つヨーロッパが社会や地域の統合を進め、多様性と普遍性を分節化してゆく様子は興味深く、グローバル化時代の人類の共生を展望するうえでも参考になる。
この授業では、主に現代欧州のドイツとフランスの社会に光を当てる。その際、欧州統合の拡大と深化のみならず、ヨーロッパを超えて人類共通ともいえる諸課題への取り組みという側面を重視すると共に、ブレグジットや種々のポピュリズムが示す危機の様相にも目を配る。
中国は、もはや恣意的なイメージをもてあそんで安閑としていることの許されない巨大な対象です。経済的成功を通じて国力が増大した中国は、大国としての意識を強め、自国の経済成長と安全を維持するために必要な環境を構築する外交を推しすすめています。
本講義の目的は現代中国政治外交の理解です。そして本講義を通じて私たちは、「現代中国とどう向き合うのか」、アジア、そして世界における中国の存在をどのように捉えるかを考えます。
中国は一般に中央集権国家であるといわれていますが、基層社会においては中央にとって想定外の事態が次々と起こる国です。一党統治の維持を前提にした中央集権が、実は地方の暴走につながるという深刻なパラドクスを抱えています。改革開放後約30年を経たといわれる現在、そうした矛盾はより深刻化しているといえるでしょう。そこで本講義では、民族、歴史、文化、制度といった観点から諸相から諸問題の根源を見つめ、中国の「国家=社会」関係について考察します。
【NATO(北大西洋条約機構)研究】
本講義ではNATOをテーマに、その歴史、現状、課題などを検証する。1学期間かけて徹底的にNATOを研究し、新たなNATO像を構築したい。
本講義は、政策過程論のなかでも外交政策過程、すなわち外交政策分析(foreign policy analysis: FPA)を扱う。外交政策とは何か、目的は何か、いかに形成されるのか、どのようなアクターが存在するのか、いかに実施されるのか。そして異なる国々においていかに異なる制度が存在しているのか。日本を中心に、特に欧米先進諸国を比較対象とする。加えて本講義では、EU(欧州連合)やNATO(北大西洋条約機構)といった地域機構において、いかなる政策過程が存在するのかも扱いたい。特にEUに関しては、EU外交(European foreign policy)のプロセスを検証することにする。
本授業は、欧州・CISの地域と社会のあり方を総合政策的に学ぶことを目的としている。 担当者の専門は旧ソ連・CISであり、また欧州地域を中心に扱う授業が別途あるため、本授業では旧ソ連・CISを中心に扱うが、欧州のファクターも重視していく。授業は担当者による講義、グループワークとその報告という内容で進めていく予定である。
本授業のように地域のことがらを扱う「地域研究」は、まさに総合政策学であり、地域研究を行うためには、当該地域の政治、経済、国際関係、歴史、民族、社会、宗教、紛争、環境問題、エネルギー問題などを総合的に考えていく必要がある。特に、旧ソ連・CISは、ソ連解体に伴う独立からまだ約25年の諸国から成り立っており、数多くの問題をはらんでおり、総合政策学的視点がより求められる地域でもある。加えて、2012年末から深刻化していったウクライナ危機はロシアの暴挙、そして国際社会のロシアに対する制裁、ロシアの経済危機と大きな影響をもたらした。そして、現在は米国に対抗する中ロという構図が国際政治で重要な要素となっている。
現在の世界を考える上では、旧ソ連地域を理解することが不可欠である。そこで、当該地域についてより多面的、包括的に授業で扱い、当該地域の理解を深めていくことを目指す。
社会動態論では社会学の入門を行います。社会学とは人の集まりからなる社会の構造やその変動を科学的に記述し、理論的に説明しようと試みる社会科学の一分野です。
社会学的な思考力を身につけるため、学期前半部分で社会学の問いの立て方、理論、方法を説明した上で、中盤以降は、ネットワーク、社会階層と移動、近代化、移民、宗教など、これまで社会学者が中心的に研究してきた各種トピックにおける社会学的な問いの提示の仕方や知見について解説していきます。講義と並行して、グループワーク、中間発表、研究レポート作成も組み合わせ、授業内容の定着をはかります。
国際社会はパワーバランスの歴史的変化と地政学的競争の激化に伴い、今、重大な挑戦に晒されている。その中で、気候変動問題や感染症危機を始め、国境を越えて各国が協力して対応すべき諸課題も同時に生起しており、国際関係において対立と協力の様相が複雑に絡み合う時代になっている。このような世界の歴史の転換期において、日本は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境のただ中にあり、戦後の安全保障政策を大きく転換しようとしている。(「国家安全保障戦略」国家安全保障会議・閣議決定、令和4年12月16日から抜粋)
本講義では、日本および世界の国々で採用されている防衛政策を比較・分析するとともに、従来の陸・海・空に限られていた作戦領域が宇宙やサイバースペースに拡大している現状や、地球温暖化に伴って注目されるようになっている環境安全保障や氷が溶けることで戦略的価値が高まっている北極海の問題、あるいは多様な技術的発展が防衛政策に与えている影響について検討し、平和を維持していくための防衛政策のあり方を講義していくことにしたい。
本講義の目的は、現代の日本が直面する課題について多角的な検討を加え、政策的選択肢と、その実現のための課題を考察することにある。「いま日本で起きていること」を理解しながら、「日本から考える」視点を獲得し、「日本」理解を深めるための手掛かりを得ようとするものである。学期末には、履修者同士のグループを形成し、日本をめぐる政策問題についての成果発表を行う。
安全保障は古来より国家の最も重要な課題であった。今日の安全保障論は、国防(Defense)の概念から、多元的な安全保障(Security)の概念への変遷を背景として、21世紀の新しい概念構築を要請されている。冷戦後の複雑化した地域紛争、民族紛争、失政国家の内戦、9.11テロ後の非対称アクターの台頭、中国を筆頭とする新興国の台頭(パワーシフト)が国際安全保障にもたらす意味、新しい技術の登場が安全保障にもたらす影響を多角的に検討する必要がある。本講義では、1)安全保障の概念と政策体系、2)国際紛争のスペクトラム分析、3)対称・非対称な紛争のケーススタディ、4)予防・抑制・抑止・紛争介入・平和維持・平和構築の諸段階における安全保障政策、5)欧州とアジアにおける地域安全保障アーキテクチャ、という諸側面から議論を深めることとする。
中国は一般に中央集権国家であるといわれていますが、基層社会においては中央にとって想定外の事態が次々と起こる国です。一党統治の維持を前提にした中央集権が、実は地方の暴走につながるという深刻なパラドクスを抱えています。改革開放後約30年を経たといわれる現在、そうした矛盾はより深刻化しているといえるでしょう。そこで本講義では、民族、歴史、文化、制度といった観点から諸相から諸問題の根源を見つめ、中国の「国家=社会」関係について考察します。
本授業は、欧州・CISの地域と社会のあり方を総合政策的に学ぶことを目的としている。 担当者の専門は旧ソ連・CISであり、また欧州地域を中心に扱う授業が別途あるため、本授業では旧ソ連・CISを中心に扱うが、欧州のファクターも重視していく。授業は担当者による講義、グループワークとその報告という内容で進めていく予定である。
本授業のように地域のことがらを扱う「地域研究」は、まさに総合政策学であり、地域研究を行うためには、当該地域の政治、経済、国際関係、歴史、民族、社会、宗教、紛争、環境問題、エネルギー問題などを総合的に考えていく必要がある。特に、旧ソ連・CISは、ソ連解体に伴う独立からまだ約25年の諸国から成り立っており、数多くの問題をはらんでおり、総合政策学的視点がより求められる地域でもある。加えて、2012年末から深刻化していったウクライナ危機はロシアの暴挙、そして国際社会のロシアに対する制裁、ロシアの経済危機と大きな影響をもたらした。そして、現在は米国に対抗する中ロという構図が国際政治で重要な要素となっている。
現在の世界を考える上では、旧ソ連地域を理解することが不可欠である。そこで、当該地域についてより多面的、包括的に授業で扱い、当該地域の理解を深めていくことを目指す。
安全保障は古来より国家の最も重要な課題であった。今日の安全保障論は、国防(Defense)の概念から、多元的な安全保障(Security)の概念への変遷を背景として、21世紀の新しい概念構築を要請されている。冷戦後の複雑化した地域紛争、民族紛争、失政国家の内戦、9.11テロ後の非対称アクターの台頭、中国を筆頭とする新興国の台頭(パワーシフト)が国際安全保障にもたらす意味、新しい技術の登場が安全保障にもたらす影響を多角的に検討する必要がある。本講義では、1)安全保障の概念と政策体系、2)国際紛争のスペクトラム分析、3)対称・非対称な紛争のケーススタディ、4)予防・抑制・抑止・紛争介入・平和維持・平和構築の諸段階における安全保障政策、5)欧州とアジアにおける地域安全保障アーキテクチャ、という諸側面から議論を深めることとする。
国際秩序は大きく流動しています。中国の経済的成功は、地域の力の分布に大きな影響を与え、東アジアの国際秩序は変化しています。この変化を牽引している中国が本講義の対象です。
本講義の目的は「大国」意識を強めている中国外交の「軌跡」への深い理解をつうじて、これからの中国の対外行動を展望するための視座を獲得することにあります。また、本講義をつうじて日中関係の現状を理解し、日本外交を展望するための手掛かりを学びます。
20世紀に戦争で一度荒廃したヨーロッパは、歴史への反省から出発して、今やすっかり息を吹き返している。歴史的な国民国家の重み、EUをはじめとする国際的ネットワークの存在、多彩なヒューマン・リソース、整備された教育システム、多言語多文化の共存・交流など、さまざまな強みを持つヨーロッパが社会や地域の統合を進め、多様性と普遍性を分節化してゆく様子は興味深く、グローバル化時代の人類の共生を展望するうえでも参考になる。
この授業では、主に現代欧州のドイツとフランスの社会に光を当てる。その際、欧州統合の拡大と深化のみならず、ヨーロッパを超えて人類共通ともいえる諸課題への取り組みという側面を重視すると共に、ブレグジットや種々のポピュリズムが示す危機の様相にも目を配る。
中華文明の思想は、日本を含む東アジアに大きな影響を与えてきた。その歴史や思想を概観することは、東アジア地域研究を行う上で有用である。この講義では、周代から明代までの中国史を概観するとともに、儒家思想がどのように作られ、発展したかを講義する。それとともに、その歴史的意義、つまり、当時の思想がなぜその時代に発生したのかについて、講師の考えも述べる。講師は、受講者に中国史や中国哲学についての知識を持っていないことを前提に講義を行うので、専門分野に全く関わらない人の受講も歓迎する。
中国は一般に中央集権国家であるといわれていますが、基層社会においては中央にとって想定外の事態が次々と起こる国です。一党統治の維持を前提にした中央集権が、実は地方の暴走につながるという深刻なパラドクスを抱えています。改革開放後約30年を経たといわれる現在、そうした矛盾はより深刻化しているといえるでしょう。そこで本講義では、民族、歴史、文化、制度といった観点から諸相から諸問題の根源を見つめ、中国の「国家=社会」関係について考察します。
【ロシア・ウクライナ戦争を考える】
2022年2月24日にはじまったロシアによるウクライナ侵略(ロシア・ウクライナ戦争)を、さまざまな視点から検証する。
国際関係論の理論、特にマクロ国際政治理論を中心に扱う。マクロ国際政治理論とは、国単位、システム単位の国際関係を理解する場合のレンズに相当する。前半では理論の役割と展開、さらに勢力均衡論、相互依存論、世界システム論の三つの大きなパラダイムの理論を紹介する。後半では、大きな問題領域ごとに、それぞれを分析する複数の理論的アプローチを紹介することで、相対的な視点を養う。
国際関係論に限らず、社会科学の理論の必要性についてはしばしば疑問が投げかけられる。一般的に理論は説明力と予測力を求められるが、社会科学の場合、社会が変化してしまうので、後付けで説明をすることは可能だが、予測をすることは難しくなる。予測が社会を変えてしまう可能性があるからである。したがって、社会科学の予測「率」は当然低くならざるをえない。そこで、本講義では、社会科学の理論に求められるのは、説明力とともにシナリオを提示する力であるという立場をとる。
なお、限られた時間の中で、さまざまな理論的アプローチを紹介することになるので、それぞれの紹介はどうしても平板なものにならざるをえない。この講義の主題は、数多くの理論的アプローチの見取り図を頭の中に作成することにある。講義の中で聞いたことだけですべてを理解した気にならず、参考文献リストを中心に自分で読み込み、理解を深めることが不可欠である。そうした見取り図を頭の中に作った上で、自分なりに既存の理論を評価・批判しながら、現代の国際政治の問題を分析する力を身につけることがねらいであり、知識を身につけることがねらいではないことに留意して欲しい。
本講義は、政策過程論のなかでも外交政策過程、すなわち外交政策分析(foreign policy analysis: FPA)を扱う。外交政策とは何か、目的は何か、いかに形成されるのか、どのようなアクターが存在するのか、いかに実施されるのか。そして異なる国々においていかに異なる制度が存在しているのか。日本を中心に、特に欧米先進諸国を比較対象とする。加えて本講義では、EU(欧州連合)やNATO(北大西洋条約機構)といった地域機構において、いかなる政策過程が存在するのかも扱いたい。特にEUに関しては、EU外交(European foreign policy)のプロセスを検証することにする。