
14717件見つかりました。
国際関係論の理論、特にマクロ国際政治理論を中心に扱う。マクロ国際政治理論とは、国単位、システム単位の国際関係を理解する場合のレンズに相当する。前半では理論の役割と展開、さらに勢力均衡論、相互依存論、世界システム論の三つの大きなパラダイムの理論を紹介する。後半では、大きな問題領域ごとに、それぞれを分析する複数の理論的アプローチを紹介することで、相対的な視点を養う。
国際関係論に限らず、社会科学の理論の必要性についてはしばしば疑問が投げかけられる。一般的に理論は説明力と予測力を求められるが、社会科学の場合、社会が変化してしまうので、後付けで説明をすることは可能だが、予測をすることは難しくなる。予測が社会を変えてしまう可能性があるからである。したがって、社会科学の予測「率」は当然低くならざるをえない。そこで、本講義では、社会科学の理論に求められるのは、説明力とともにシナリオを提示する力であるという立場をとる。
なお、限られた時間の中で、さまざまな理論的アプローチを紹介することになるので、それぞれの紹介はどうしても平板なものにならざるをえない。この講義の主題は、数多くの理論的アプローチの見取り図を頭の中に作成することにある。講義の中で聞いたことだけですべてを理解した気にならず、参考文献リストを中心に自分で読み込み、理解を深めることが不可欠である。そうした見取り図を頭の中に作った上で、自分なりに既存の理論を評価・批判しながら、現代の国際政治の問題を分析する力を身につけることがねらいであり、知識を身につけることがねらいではないことに留意して欲しい。
アメリカは日本にとって最も身近でもうすでに十分に知っていると思われがちな対象ですが、一方で誤解が放置されやすい対象でもあります。「アメリカ」といったときにそれは何を指すのでしょうか。メディア報道では現政権、特に外交当局の方針を指すことが多いですが、現実には連邦議会は大統領府と違う意思を持ちますし、議員の忠誠心は政党ではなく州にあります。さらにアメリカでは支持政党のみならず国民世論が、保守とリベラルに分極化しています。そこでのメディアの機能も無視できません。メディア自身が保守陣営とリベラル陣営に分かれて対立軸の増幅を演出するなか、1990年代以降2極化は激しさを増し、討議型民主主義が空虚化する危険も叫ばれています。アメリカにおける保守とリベラルとは思想であると同時に、コミュニティの地域性、人種およびエスニック起源、信仰などが半ば集団的に規定するアイデンティティであることも少なくありません。そこで本授業では、政治、外交、文化などの垣根を設けずにアメリカ理解に迫ります。
本講義では、インタラクティブなシステムの開発・実践を通してオープンデザインの考え方を習得することを目的とします。
インタラクションデザインの分野においても、より多くのデザイナーやエンジニアの参加を促す為に、つくり方の共有や、コラボレーションを通した制作、利用者からの積極的なフィードバックの仕組みが非常に重要になってきています。本講義では、このような背景に伴い、オープンソースシステムの概念の普及や開拓を先導するWebDINO Japanと連携しながら講義を展開します。
今年度は具体的に、IoT (Internet of Things) のもたらす未来をテーマとして据え、組み込みハードウェアの開発を実践することで、インタラクションデザイン及びオープンデザインについての学びを深めていきます。
人間とコンピュータのインタラクションにおける概要とトピック:HCIの歴史、人的要因、新たなHCIの構築、HCI実験を順を追って習得します。
歴史や知識を吸収することに加え、演習課題としてArduinoを使って自らTUI(Tangible User Interface)を用いてインタラクティブなシステムを構築し、そのユーザ実験を設計・実施します。
*本年度は日本語開講です。
(備考1)この授業は日本語による授業と英語による授業を1年毎に切り替えて実施するため、教科書は英語のものを使います(http://amzn.to/2jOtKBD)。
(備考2)英語のみを話す履修者がいない場合には、日本語による授業として開講します。
人間とコンピュータのインタラクションにおける概要とトピック:HCIの歴史、人的要因、新たなHCIの構築、HCI実験を順を追って習得します。
歴史や知識を吸収することに加え、演習課題としてArduinoを使って自らTUI(Tangible User Interface)を用いてインタラクティブなシステムを構築し、そのユーザ実験を設計・実施します。
*本年度は日本語開講です。
(備考1)この授業は日本語による授業と英語による授業を1年毎に切り替えて実施するため、教科書は英語のものを使います(http://amzn.to/2jOtKBD)。
(備考2)英語のみを話す履修者がいない場合には、日本語による授業として開講します。
人間とコンピュータのインタラクションにおける概要とトピック:HCIの歴史、人的要因、新たなHCIの構築、HCI実験を順を追って習得します。
歴史や知識を吸収することに加え、演習課題としてArduinoを使って自らTUI(Tangible User Interface)を用いてインタラクティブなシステムを構築し、そのユーザ実験を設計・実施します。
*本年度は日本語開講です。
(備考1)この授業は日本語による授業と英語による授業を1年毎に切り替えて実施するため、教科書は英語のものを使います(http://amzn.to/2jOtKBD)。
(備考2)英語のみを話す履修者がいない場合には、日本語による授業として開講します。
コンピュータを人間が利用するためのヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)技術は、キーボードを利用するコマンドラインインタフェース(CLI)、現在のパソコンで広く利用されているグラフィカルユーザインタフェース(GUI)、実世界指向インタフェースと大きく変化してきた。本講義では、HCI関連技術の歴史や背景から最先端のHCIの研究動向を解説する。
コンピュータを人間が利用するためのヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)技術は、キーボードを利用するコマンドラインインタフェース(CLI)、現在のパソコンで広く利用されているグラフィカルユーザインタフェース(GUI)、実世界指向インタフェースと大きく変化してきた。本講義では、HCI関連技術の歴史や背景から最先端のHCIの研究動向を解説する。
現在のWebは計算機や携帯電話の利用法のひとつとして使われているにすぎないが、将来のWebは全世界の人間や機械がいつでもどこでも情報をやりとりするためのコミュニケーションのプラットフォームとなると考えられる。Webの進化に関連する技術動向を、豊富な具体例をまじえて解説する。
日常生活においてICTは欠かせないものになった。しかし、日常的に意識することのない健康や医療と連続したICTサービスはほぼ皆無である。本コースでは健康や医療を日常生活の延長と捉え、これまでの保険システムという概念から、新しい社会基盤としてヘルスケアシステムをリデザインする。
本コースでは新しい社会基盤を構成するビジネスの創出とその運営シナリオとしての戦略、およびそれを実行する企業家のあるべき姿を探求する。具体的には、競争環境下で展開するビジネスの事例を履修生に配布し、予め与えた課題に関し履修生同士が討論をしながら進めるケースメソッド方式でクラスを進める。履修生は弁証法的効果を狙うケース討論を通じ、未来の先導者の必須条件たるアントレプレナーシップ、即ち善悪美醜を識別する鋭く豊かな感性と、他の人の異なる多様な価値観に耳を傾ける寛容性、そしてあらゆる抵抗・反対を乗り越えて行動し、結果を出す行動力を身につけることをこのコースの目的とする。
日常生活においてICTは欠かせないものになった。しかし、日常的に意識することのない健康や医療と連続したICTサービスはほぼ皆無である。本コースでは健康や医療を日常生活の延長と捉え、これまでの保険システムという概念から、新しい社会基盤としてヘルスケアシステムをリデザインする。
本コースでは新しい社会基盤を構成するビジネスの創出とその運営シナリオとしての戦略、およびそれを実行する企業家のあるべき姿を探求する。具体的には、競争環境下で展開するビジネスの事例を履修生に配布し、予め与えた課題に関し履修生同士が討論をしながら進めるケースメソッド方式でクラスを進める。履修生は弁証法的効果を狙うケース討論を通じ、未来の先導者の必須条件たるアントレプレナーシップ、即ち善悪美醜を識別する鋭く豊かな感性と、他の人の異なる多様な価値観に耳を傾ける寛容性、そしてあらゆる抵抗・反対を乗り越えて行動し、結果を出す行動力を身につけることをこのコースの目的とする。
トランスカルチャー論(transculturalism)とは何か。似たような概念として、多文化主義(multiculturalism)や間文化主義(interculturalism)がある。しかし、それらのいずれとも違う第三の可能性を指し示すものとして、本講義ではトランスカルチャーという考えに着目し、その射程と可能性を探る。
トランスカルチャー論は、多文化性の公的承認によって各文化コミュニティの維持と共存を目指すことにとどまらない。また、文化上のマジョリティとマイノリティの間のコミュニケーションと歩み寄りを保ちつつ、エスニック文化の多様性と共通文化の統合性との確保を中心のテーマとするわけでもない。
本講義が対象とするトランスカルチャー論がまずもって着目するのは、複数の文化を越境する個人とその主体的経験が有する意味である。異文化の存在を知り、未知なる他者と出会うことは、今日のグローバル化した世界では、各人において程度の差こそあれ、平凡な経験とすら呼べるものになりつつある。トランスカルチャーの経験はむしろ、複数の文化を外側から見聞するのではなく、それらを同時に内側から生き抜くことによって、個人が自らのアイデンティティを問い直さざるをえないような状況を生み出す。いわば、一つ以上の文化コミュニティに言語を通して深く根付くという経験を持つからこそ、それらのいずれへの帰属によっても自らが完全には定義されえないという意識を個人が抱くのである。この意味において、「文化横断」(transculturation)とは、「新しいコードを獲得しはするが、それにともなって以前のコードを失ったわけではない状態」(T.トドロフ)にほかならない。文化の共同体的側面を安易に捨象する平板なコスモポリタニズムでもなく、まばゆい文化的多様性への無条件的な礼賛でもないトランスカルチャーは、この世界における人間のあり方として、独自の領域と考察対象をなす。この文化横断が人間主体に対して持つ意味を、本講義は特に人文学の観点から探究する。
トランスカルチャー論(transculturalism)とは何か。似たような概念として、多文化主義(multiculturalism)や間文化主義(interculturalism)がある。しかし、それらのいずれとも違う第三の可能性を指し示すものとして、本講義ではトランスカルチャーという考えに着目し、その射程と可能性を探る。
トランスカルチャー論は、多文化性の公的承認によって各文化コミュニティの維持と共存を目指すことにとどまらない。また、文化上のマジョリティとマイノリティの間のコミュニケーションと歩み寄りを保ちつつ、エスニック文化の多様性と共通文化の統合性との確保を中心のテーマとするわけでもない。
本講義が対象とするトランスカルチャー論がまずもって着目するのは、複数の文化を越境する個人とその主体的経験が有する意味である。異文化の存在を知り、未知なる他者と出会うことは、今日のグローバル化した世界では、各人において程度の差こそあれ、平凡な経験とすら呼べるものになりつつある。トランスカルチャーの経験はむしろ、複数の文化を外側から見聞するのではなく、それらを同時に内側から生き抜くことによって、個人が自らのアイデンティティを問い直さざるをえないような状況を生み出す。いわば、一つ以上の文化コミュニティに言語を通して深く根付くという経験を持つからこそ、それらのいずれへの帰属によっても自らが完全には定義されえないという意識を個人が抱くのである。この意味において、「文化横断」(transculturation)とは、「新しいコードを獲得しはするが、それにともなって以前のコードを失ったわけではない状態」(T.トドロフ)にほかならない。文化の共同体的側面を安易に捨象する平板なコスモポリタニズムでもなく、まばゆい文化的多様性への無条件的な礼賛でもないトランスカルチャーは、この世界における人間のあり方として、独自の領域と考察対象をなす。この文化横断が人間主体に対して持つ意味を、本講義は特に人文学の観点から探究する。
トランスカルチャー論(transculturalism)とは何か。似たような概念として、多文化主義(multiculturalism)や間文化主義(interculturalism)がある。しかし、それらのいずれとも違う第三の可能性を指し示すものとして、本講義ではトランスカルチャーという考えに着目し、その射程と可能性を探る。
トランスカルチャー論は、多文化性の公的承認によって各文化コミュニティの維持と共存を目指すことにとどまらない。また、文化上のマジョリティとマイノリティの間のコミュニケーションと歩み寄りを保ちつつ、エスニック文化の多様性と共通文化の統合性との確保を中心のテーマとするわけでもない。
本講義が対象とするトランスカルチャー論がまずもって着目するのは、複数の文化を越境する個人とその主体的経験が有する意味である。異文化の存在を知り、未知なる他者と出会うことは、今日のグローバル化した世界では、各人において程度の差こそあれ、平凡な経験とすら呼べるものになりつつある。トランスカルチャーの経験はむしろ、複数の文化を外側から見聞するのではなく、それらを同時に内側から生き抜くことによって、個人が自らのアイデンティティを問い直さざるをえないような状況を生み出す。いわば、一つ以上の文化コミュニティに言語を通して深く根付くという経験を持つからこそ、それらのいずれへの帰属によっても自らが完全には定義されえないという意識を個人が抱くのである。この意味において、「文化横断」(transculturation)とは、「新しいコードを獲得しはするが、それにともなって以前のコードを失ったわけではない状態」(T.トドロフ)にほかならない。文化の共同体的側面を安易に捨象する平板なコスモポリタニズムでもなく、まばゆい文化的多様性への無条件的な礼賛でもないトランスカルチャーは、この世界における人間のあり方として、独自の領域と考察対象をなす。この文化横断が人間主体に対して持つ意味を、本講義は特に人文学の観点から探究する。
本講義は、欧州地域の地域研究を戦略的トピックに特化した形で進めていくことを目的としている。ただし、担当者の専門は旧ソ連・CISであるため、授業の内容も旧ソ連・CIS及びそれらと欧州との関係が中心となることを予めご留意いただきたい。授業は担当者による講義、ディスカッション、個人報告等で進めていく予定であるが、一方的な講義は極力しない予定なので、積極的参加が求められる。履修者の研究内容や関心に沿う形で授業を再構成していきたいので、初回の授業で履修者の関心を聞き、それらを授業に盛り込むとともに、日々の新しい動きについても、授業で扱っていきたいので、授業内容は臨機応変に調整してゆきたいと考えている。現在をよりリアルに理解し考えることができる、生きた授業とする予定だ。
本講義のように地域を扱う「地域研究」は、まさに総合政策学であり、地域研究を行うためには、当該地域の政治、経済、国際関係、歴史、民族、社会、宗教、紛争、環境問題、エネルギー問題などを総合的に考える必要がある。旧ソ連・CISは、数多くの問題をはらむ地域であり、特に紛争、エネルギー問題、民主化・言論の自由・人権などの問題、環境問題、武器問題などでは常に欧州との軋轢がある一方、欧州の中にはロシアにエネルギーを依存しているために、ロシアに対して強い立場に立てない国も多い。このような各国の戦略的な思惑が政策のダブルスタンダードを生み、現実に様々な矛盾が生じている。これらの問題をケーススタディに、地域戦略研究のあり方を検討していく。
エネルギーは経済活動の維持と発展のために不可欠な要素であり、安全保障の観点からも重大な意義を有している。同時に、地球規模での環境の改善と保全の必要が問われており、諸々のエネルギーの活用のあり方について国際的な議論が展開されている。この講座では各々のエネルギーとエネルギー資源の特徴を踏まえた上で、その活用形態について分析し、世界の主要地域・国におけるエネルギー政策と、その妥当性および今後のエネルギーミックスについて展望する。
本講義の目的は、重要な先行研究の精読をつうじて現代中国政治外交を理解するために必用な分析枠組みや概念を修得し、中国政治外交を体系的に理解する。
アメリカの内政と外交の相互の影響を考えていきます。どこまで世界の問題に介入すべきか、自由貿易協定を結ぶべきか等、外交政策にも、国内の経済や労働問題、リバタリアンとかネオコンと呼ばれるような政治理念、大統領支持率と内政の進捗などが密接に関係し、その度合いは近年とりわけ強まっています。エスニック集団や教会は、特定の国や争点に関係した政策を強く望むこともあります。アメリカは民主党と共和党の二大政党制ですが、政党を横断して内政から外交まで争点ごとに遍在する保守とリベラルの潮流も、政治の大きな動力です。
本講義の目的は、重要な先行研究の精読をつうじて現代中国政治外交を理解するために必用な分析枠組みや概念を修得し、中国政治外交を体系的に理解する。
本講義は、欧州地域の地域研究を戦略的トピックに特化した形で進めていくことを目的としている。ただし、担当者の専門は旧ソ連・CISであるため、授業の内容も旧ソ連・CIS及びそれらと欧州との関係が中心となることを予めご留意いただきたい。授業は担当者による講義、ディスカッション、個人報告等で進めていく予定であるが、一方的な講義は極力しない予定なので、積極的参加が求められる。履修者の研究内容や関心に沿う形で授業を再構成していきたいので、初回の授業で履修者の関心を聞き、それらを授業に盛り込むとともに、日々の新しい動きについても、授業で扱っていきたいので、授業内容は臨機応変に調整してゆきたいと考えている。現在をよりリアルに理解し考えることができる、生きた授業とする予定だ。
本講義のように地域を扱う「地域研究」は、まさに総合政策学であり、地域研究を行うためには、当該地域の政治、経済、国際関係、歴史、民族、社会、宗教、紛争、環境問題、エネルギー問題などを総合的に考える必要がある。旧ソ連・CISは、数多くの問題をはらむ地域であり、特に紛争、エネルギー問題、民主化・言論の自由・人権などの問題、環境問題、武器問題などでは常に欧州との軋轢がある一方、欧州の中にはロシアにエネルギーを依存しているために、ロシアに対して強い立場に立てない国も多い。このような各国の戦略的な思惑が政策のダブルスタンダードを生み、現実に様々な矛盾が生じている。これらの問題をケーススタディに、地域戦略研究のあり方を検討していく。
エネルギーは経済活動の維持と発展のために不可欠な要素であり、安全保障の観点からも重大な意義を有している。同時に、地球規模での環境の改善と保全の必要が問われており、諸々のエネルギーの活用のあり方について国際的な議論が展開されている。この講座では各々のエネルギーとエネルギー資源の特徴を踏まえた上で、その活用形態について分析し、世界の主要地域・国におけるエネルギー政策と、その妥当性および今後のエネルギーミックスについて展望する。
本講義の目的は、重要な先行研究の精読をつうじて現代中国政治外交を理解するために必用な分析枠組みや概念を修得し、中国政治外交を体系的に理解する。
本授業では、「治安」に関する「ガバナンス」として、日本の警察制度及び刑事司法制度の概要を踏まえた上で、国際テロ対策、薬物対策、暴力団対策、児童虐待対策といった、社会における安全・安心を確保するための各種対策を概観しながら、諸課題への対応方策を探求する。
本講義は、欧州地域の地域研究を戦略的トピックに特化した形で進めていくことを目的としている。ただし、担当者の専門は旧ソ連・CISであるため、授業の内容も旧ソ連・CIS及びそれらと欧州との関係が中心となることを予めご留意いただきたい。授業は担当者による講義、ディスカッション、個人報告等で進めていく予定であるが、一方的な講義は極力しない予定なので、積極的参加が求められる。履修者の研究内容や関心に沿う形で授業を再構成していきたいので、初回の授業で履修者の関心を聞き、それらを授業に盛り込むとともに、日々の新しい動きについても、授業で扱っていきたいので、授業内容は臨機応変に調整してゆきたいと考えている。現在をよりリアルに理解し考えることができる、生きた授業とする予定だ。
本講義のように地域を扱う「地域研究」は、まさに総合政策学であり、地域研究を行うためには、当該地域の政治、経済、国際関係、歴史、民族、社会、宗教、紛争、環境問題、エネルギー問題などを総合的に考える必要がある。旧ソ連・CISは、数多くの問題をはらむ地域であり、特に紛争、エネルギー問題、民主化・言論の自由・人権などの問題、環境問題、武器問題などでは常に欧州との軋轢がある一方、欧州の中にはロシアにエネルギーを依存しているために、ロシアに対して強い立場に立てない国も多い。このような各国の戦略的な思惑が政策のダブルスタンダードを生み、現実に様々な矛盾が生じている。これらの問題をケーススタディに、地域戦略研究のあり方を検討していく。
エネルギーは経済活動の維持と発展のために不可欠な要素であり、安全保障の観点からも重大な意義を有している。同時に、地球規模での環境の改善と保全の必要が問われており、諸々のエネルギーの活用のあり方について国際的な議論が展開されている。この講座では各々のエネルギーとエネルギー資源の特徴を踏まえた上で、その活用形態について分析し、世界の主要地域・国におけるエネルギー政策と、その妥当性および今後のエネルギーミックスについて展望する。