
本授業では、社会起業という現象を通じて、問題発見力ならびに問題解決力、およびリーダーシップの開発を目的します。昨年までは、「社会起業家の実態と発展可能性を、理論と事例から考察する」を目的としていましたが、社会における社会起業という実態の理解が進んだことを踏まえて、「社会起業を理解する」というフェーズから、「社会起業を理解するプロセスを通じて学ぶ」というフェーズに移行することにしました。2011年から慶應SFCにて社会起業論を担当し今年で10年目となりますが、この間、社会問題の解決策である社会起業に対する世の中の理解や期待は大きく変わりました。2011年頃は社会起業という未知の存在をどうとらえるべきなのか、どのような価値があるのかを説明する必要がありましたが、これまでの授業の中で、社会起業という事象を理解するプロセスは、問題発見力、問題解決力、そしてリーダーシップの涵養に適していると感じる様になりました。そのため2020年は、その点を強化した授業展開を行う予定です。