
皆さんは「地方自治」という言葉にどういうイメージをお持ちでしょうか? 国が決めた方針を地方で実施するだけのつまらない行政の「雑用係」? 利益集団と癒着し、行政を業界の利益に沿ってゆがめる役人達の巣窟? 「休まず」「遅れず」「働かず」の公務員が巣くう非能率の源泉?? 本当にそうでしょうか?
皆さんは生まれる以前から、地方政府(自治体)によってたくさんのサービスを受けてきました。妊婦検診に始まり、乳幼児検診、保育所、小中学校や高校、家の前の道路の維持管理、家庭や産業の廃棄物処理… みんな地方政府の仕事です。自分のまちの市町村や都道府県は、日本の行政の7割を処理する地域の人々に一番身近な「市民のための政府」です。この科目は、地方自治とはどのような役割を担い、どのように動いているのか、そして皆さんは地域に対して何ができるのか、そのしくみと課題を考えてゆきます。
高校の公民の授業ではわずか1コマ50分で済まされる地方自治の世界をちょっと深く眺め、一緒に考えてみましょう。