
近年、日本では韓国のエンターテイメントの人気が定着したのに比べ、中国語圏の映画やテレビドラマ、ポップミュージックなどは一般的にはほとんど知られていない。しかし、中国語圏と日本のエンターテイメント界とは戦前から深い縁で結ばれており、現在も映画人や音楽人たちによる交流が綿々と続いている。本講義では、そうした中国語圏のポップカルチャーの中核となっているチャイニーズ・ポップス(中国語流行歌曲)を中心に、実際に様々な音楽や映像を鑑賞しながら、上海租界時代から現在に至るまでの中国語圏各地域のポップカルチャー事情を、当時の社会的・政治的・歴史的背景とともに検討しつつ、日中交流の経緯を振り返り、日中関係の未来についても探ってみたい。