「都市空間の構成」の講義では、まず、都市空間を構成する建築物等の整備が、法令によりどのようにコントロールされているかについての理解を進めます。
講義の中心となる建築基準法には、建築確認・検査制度などの「総則規定」、主に個々の建築物の安全性等を確保するための「単体規定」、まちの秩序、市街地の環境を確保するための「集団規定」などが規定されています。また「単体規定」に関連して、バリアフリー法、省エネ法など、「集団規定」については都市計画法などの関係法令があります。これらの制度はいずれも、国民の生命、健康、財産の保護、国民経済の健全な発展、国民生活の安定向上、公共の福祉の増進などを目的に、建築・都市における種々の社会的課題を解決するために規定されているものであり、法令条文を参照しながら、法令とそれが解決しようとする課題との関係を理解します。その際、現行制度の限界や新たな社会的課題への対応など、解決されていない問題についても提起し、受講生とともに議論することで法令の理解を深めます。
後半では、都市の実地見学を行い、法令が「建築物」や「都市」を実際にどのように形づくっているかを確認し、続いて、演習として、未解決の課題を受講生が各自設定し、その解決に向けた制度提案を発表・討議します。
本コースでは、講義を通じて一級建築士の法規に関する模擬試験を実施・解説し、建築関係に就業する者の資格取得等を支援します。