
「社会安全政策論」とは、「犯罪を典型とする人間の反社会的行為から、個人と、個人の暮らしのための社会基盤を守る(犯罪等を統制・制御する)ための政策の在り方を研究する」ものです。
「安全」な社会は、自由な民主主義社会にとって不可欠の前提ですが、その「安全」は、所与のものとして当然に存在しているのではなく、多くの人々(個人、団体、共同体、国家など)の人為的な営みによって辛うじて維持されていることを理解していただきたいと思います。
また、「政策」として検討する以上は、「勧善懲悪」、「国家権力の抑制」といった単純な議論ではなく、政策の実現可能性を念頭に置きつつ、限られたリソースの中で、政策効果とコストのバランス、政策効果と自由・人権の制約とのバランスをいかに図るか、ということを考える必要があります。
本講義は、これらの観点から、学生諸君とともに、安全な社会を実現する政策論を探求するものです。