
「私はアメリカにおいてアメリカ以上のものを見た」1831年春、仏貴族出身の判事修習生トクヴィル(当時25歳)は友人ボモンと共に9カ月間の米国旅行に出発し、今日に至るアメリカ研究の最高傑作『アメリカデモクラシー』の中でこう書き記しました。この言葉の意味するところは何でしょうか? 「アメリカの衰退」や「アメリカ後の世界」がささやかれる今日、アメリカはどこまで普遍性を有する存在なのでしょうか? アメリカをどう理解し、位置づければ良いのでしょうか?本講義ではこうした諸点について、時事的動向を踏まえながら、学生と考察・議論を重ねてゆきたいと思います。