
今後の日本社会においては、行政がカバーできるパブリックのサービス領域はどんどん狭くなっていきます。これはこれ迄私たちが当たり前に享受していた福祉や医療を始めとする様々な領域に隙間ができることを意味します。
地方ではそれがより顕著となります。高齢化も社会減・自然減による人口減少も加速度的に進んでおり、日本各地に存在する『地域』にとって、それは既に実感を伴った危機感として存在しています。
このような状況の中で私たちはどんどん明るみに出てくる様々な社会課題に直面することとなります。
ではその空白となった領域は誰が埋めるのでしょうか?誰がこのような社会課題に立ち向かうのでしょうか?それはもはや民間若しくは民間と行政との連携体しかありえないでしょう。私たち自身がプレイヤーになっていかなければならないということです。
自分たちの社会を、地域を自分たちで守っていく、支えていかなくてはならない時代です。
そのような文脈の中でビジネスを通じて社会課題の解決を志向するソーシャルビジネスとそれを支え、またより革新的な領域に導く可能性を秘めたソーシャルファイナンスが社会課題解決にアプローチするための一つの鍵になるはずです。
本講義ではソーシャルファイナンスの基礎知識や実装のためのプロセスを学ぶことで、受講生が社会課題解決に繋がる実現可能性の高いソーシャルビジネスのデザインスキルを習得することを目的とします。