
子どもの精神発達を考える
2021年度末で退職のため、今期でこの研究会は終了します
目標:子ども時代、その中でも特に乳幼児期といわれる生後3年間は、子どもの精神発達にとって、重要な時期である。この間に、子どもは母親(養育者)とどのような出会いを体験し、アタッチメントがどのように形成されるかが、その後のその子の精神発達、パーソナリティ発達を決定する。また、このアタッチメントの形成には、養育者−子間のコミュニケーションの発達や、子どもの自己感の発達も、密接に関係してくる。 子どもの精神発達理論は、精神分析学から成人の患者の想起する子ども時代を再構成することによりできた理論と、乳幼児の直接観察からの所見が相互に影響しあって発展してきた。
先学期のこの研究会では、精神分析的発達理論、Mahlerの分離個体化理論、Bowlbyの愛着(attachment)論、Stern の自己感の発達論などを中心とした理論をもとに、乳幼児のいる家庭の訪問による実際の乳幼児の観察を通して、健康な家庭における子どもの精神発達を総合的に理解する事を目指した。
本年度も引き続き、理論の学習と、乳幼児観察を並行して進めたい。また、Infant Mental Health Journal, Zero to Threeなどの文献の講読も行っていく。 (森さち子研究会との合同研究会)