
建築情報学
建築情報学
情報技術的な方法をもとに人間が環境を構想し構築する方法とその意義や目的を考える建築情報学の研究会です。情報技術の進歩により、建築や都市のデザインや建設、そしてオペレーションをコンピュータを通じて総合的に扱う環境が出現しています。3次元の立体データとそこにリンクされた情報によって「図面」を経由せずに高速で大量なな情報の共有が可能であり、その結果、デザインの方法、ものづくりの方法、そして利用の方法の通じたプロセス全体に影響が起きつつあります。利用者の行動パターン、複雑な構造物の力学的応答、音、熱、気流などの不可視な環境的変動など様々な動的要因についての予測シミュレーションが可能になり、そしてそのインタラクティブで視覚的な表現能力によって複雑で直感的な把握が困難だった問題の検討も可能になりました。また建築デザインのような非常に多目的で複雑な問題についてコンピュータによる高速で大容量な計算により人工知能的な方法で答えを探る手法も登場しています。このようなデザイン手法の延長線上には、デジタル制御による製造加工や組立建設技術との連携や、実際の構造物や空間の利用状況や現状を継続的にデータ計測し適応する技術などまでが連続していることから、全体として我々の社会における建築・都市のあり方についてもたらす総合的な変化を、ここでは「建築情報学」と呼んでいます。こうした技術的進歩の一方で、我々の生活は地球環境配慮への対応を迫られ、これからの建築・都市には資源の不足や大規模災害の危機や、グローバル化する社会への対応が求められています。この研究会は、 学年を横断したグループででこのような社会的な課題に挑み、前述した建築情報学的方法について、具体的な目標のあるプロジェクトを通じて学習し、建築・都市・環境への革新的な提案によって、社会における問題を解決する可能性を考えることが狙いです。