シラバス

科目名研究会A

授業概要

学部・研究科
総合政策・環境情報学部
登録番号
04745
科目ソート
A1101
科目名
研究会A
分野
研究プロジェクト科目
単位
4単位
開講年度・学期
2021 春学期
K-Number
研究会テーマ

ナチュラルにクリエイティブに生きる未来に向けて:創造の研究 & 未来をつくる言葉をつくる(ことで、本当に未来をかたちづくる) [ 自然のなかの子育て / 創造的な学校・教育 / 企業理念の実践支援 / 生態系保全活動 / 新しい開発援助 / ともに生きる高齢者ケア / ワクワクする人生のZINE制作 / 道を極めることのボードゲーム開発 / 商いの実践探究コミュニティ研究 / 卒 資本主義 & 創造的民主主義への構想 / 音楽作曲 ]

開講年度・学期
2021 春学期
曜日・時限
木 4限 , 木 5限
授業教員名
井庭 崇
実施形態
オンライン(ライブ)
授業で使う言語
日本語
開講場所
SFC
授業形態
※「授業形態」と「能動的学修形式」の対応についてはこちらをご覧ください。
講義, グループワーク
GIGAサティフィケート対象
非対象
研究会・来期の研究プロジェクトのテーマ予定

ナチュラルにクリエイティブに生きる未来に向けて:創造の研究 & 未来をつくる言葉をつくる(ことで、本当に未来をかたちづくる)

詳細

講義概要

こちら(http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/log/eid590.html)に、写真・説明画像入りの見やすいシラバスがあります。ぜひ、そちらを見てください。また、最新情報や説明の映像などを、こちら「慶応SFC 井庭研2021年度 新規エントリー者向け情報」(note)(https://note.com/iba/m/m411f1682634a)にアップしていく予定です。そちらのページもたまにチェックしてみてください。

2021年2⽉6⽇(土):エントリー〆切
2021年2⽉8日(月)・9(火):面接@オンライン

※エントリーを考えている人は、「井庭研に興味があるSFC生の連絡先登録(2020年12月〜2021年2月用)」(https://forms.gle/duPqiykzkVgoUzhy7)に登録してください。最新情報をメールで送ります。

※最新情報や説明の映像などを、こちら「慶応SFC 井庭研2021年度 新規エントリー者向け情報」(note)(https://note.com/iba/m/m411f1682634a)にアップしていく予定です。そちらのページもたまにチェックしてみてください。

2021年度春学期は、以下の10プロジェクトのメンバーを募集します。

(1) 自然のなかの子育て・暮らしのパターン・ランゲージの作成
(2) 新しい創造的な学校・教育づくりのパターン・ランゲージの作成
(3) 組織の理念を具体的実践につなげるためのパターン・ランゲージの作成
(4) 生態系保全活動のパターン・ランゲージの作成
(5) パターン・ランゲージによる新しい開発援助
(6) パターン・ランゲージを活用した高齢者ケア実践の研修デザイン
(7) 「ワクワクする人生」を生きている人の「人生の育て方」を紹介するZINEの制作
(8)「 道を極める」感覚を遊びのなかで体感できる面白いボードゲームの開発
(9) 商いの実践探究コミュニティの研究
(10) 卒資本主義と創造的民主主義へのシステミック・チェンジの構想

井庭研究室では、より自然で創造的な暮らし・生き方・社会へのシフトを目指して、一緒に研究・実践に取り組む仲間を募集します。

井庭研では、これからの社会を「創造社会」(クリエイティブ・ソサエティ:Creative Society)だと考え、特に、自然とつながり人間らしく豊かに生きる「ナチュラルな創造社会」へのシフトを目指し、それが可能となるための支援メディア(パターン・ランゲージ)をつくるとともに、そのベースとなる理論・方法論を含む新しい学問の構築に取り組んでいます。

研究・教育は「未来に向けての取り組み」であるため、まずは僕(井庭)が「これからの未来をどう見据えているのか」について語ることが不可欠だと思います。そこで、まず、そのことについて簡単に述べておきたいと思います(のちのVisionのところで、より詳しく紹介します)。

僕が見ている・目指している未来社会は、「創造社会」と呼び得る社会です。しかも、自然との関わりを深めた「ナチュラルな創造社会」です。

「自然(ナチュラル)」というとき、そこには、(突き詰めると表裏一体となる)2つの意味を持っていることに気づきます。一つには、自然(森林や海山など)などの「外なる自然」のことを意味しており、もう一つは、素の自分らしさと自由度をもっていきいきと生きるという「内なる自然」の意味です。これらは別ものではなく、相互に関係しており、理想的な状態では、これらは調和的に重なり合って、ひとつの「自然(ナチュラル)に生きる」ということに収斂します。

この二つの「自然(ナチュラル)」が分離してしまっていることが、現代の諸問題の根源にあると、僕は見ています。「外なる自然」と「内なる自然」のつながり抜きに、どんなに人工的に別の手をつくしても、限界があると思うのです。ですので、これら2つの意味の「自然(ナチュラル)」---「外なる自然」と「内なる自然」---がうまく重なり合うようことが可能な未来を目指したいと思っています。

そして、実は、その意味での「自然(ナチュラル)」は、「創造的(クリエイティブ)」であるということにも重なります。かつて、作家のミヒャエル・エンデは、「創造的であるというのは、要するに、人間的であるということにほかならない」と語りました。一人ひとり創造的に生きるということは、誰かがつくった(社会的に与えられた)「人工的」な人生ではなく、その人らしく(「内なる自然」の意味での)自然で人間的な人生を生きるということにほかなりません。そして、そういうことが可能なのは、人工的な環境のなかではなく、深く美しい自然(「外なる自然」)の秩序との触れ合いがある生のなかで、本当に実現できると考えているのです。

その意味で、井庭研が目指す「創造的(クリエイティブ)」というのは、何らかのメソッドやテクノロジーを用いて「人工的」に飛躍的な思考を実現するというようなものではなく、一人ひとりが本来もっている創造性を十全に発揮するということなのです。この一人ひとりがもつ創造性は、人工的なものではなく、自然(ナチュラル)なものなので、それを僕は、「ナチュラル・クリエイティビティ」(Natural Creativity:自然な創造性)と呼んでいます。世の中的にはAI(人工知能)が全盛ですが、だからこそ、僕らは人間が本来持っている「ナチュラル・クリエイティビティ」の方に着目したいのです。

「ナチュラルにクリエイティブに生きる」とは、一人ひとりがもつナチュラル・クリエイティビティを発揮して生きていくということです。そして、それが最も高まるのは、「外なる自然」とつながり調和し共鳴するときである、と考えているわけなのです。このような考えのもと、井庭研では、一人ひとりが自身のナチュラル・クリエイティビティを発揮し、「ナチュラルにクリエイティブに生きる」ことができる社会、すなわち「ナチュラルな創造社会」を実現することを目指して、研究・実践に取り組んでいます。