ナチュラルにクリエイティブに生きる未来をつくる:創造実践学、創造の哲学、未来社会学の構築と実践 [ アドホックなプロジェクト型組織 / ゲストハウスのレジリエントな適応 / 新しい開発援助&エンパワーメント / ともに生きる高齢者ケア / 自然のなかの子育て / ワクワクする人生の育て方 / 道を極める / クリエイティブ・ラーニング・コミュニティの実現 / 商いの実践コミュニティ研究 / 企業理念の実践支援 ]
ナチュラルにクリエイティブに生きる未来をつくる:創造実践学、創造の哲学、未来社会学の構築と実践
こちら(http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/log/eid596.html)に、写真・説明画像入りの見やすいシラバスがあります。ぜひ、そちらを見てください。
2021年7⽉24⽇(土)・25(日):井庭研春学期発表会@オンライン ※エントリー予定者参加必須(両日とも9:00〜18:00で2日間かけて行います)
2021年7⽉25⽇(日):エントリー〆切
2021年7⽉29日(木):面接@オンライン
※エントリーを考えている人は、「井庭研に興味があるSFC生の連絡先登録(2021年7月用)」(https://forms.gle/yLRJwUx4DCxSFevp9)に登録してください。最新情報をメールで送ります。また、ここに登録してくれた人には、7⽉24⽇(土)・25(日)に行われる井庭研春学期発表会@オンラインの情報も送ります。この発表会は、エントリー予定者は参加必須なので、各自予定を調整・確保し、参加してください(両日とも9:00〜18:00。2日間フルに参加してください)。
2021年度秋学期は、以下の10プロジェクトのメンバーを募集します。
(1) 「アドホックなプロジェクト型組織のつくりかた」のパターン・ランゲージの作成
(2) 「コロナ禍におけるゲストハウスのレジリエントな適応のしかた」のパターン・ランゲージの作成
(3) パターン・ランゲージによる新しい開発援助 & 地方の高校生のエンパワーメント
(4) パターン・ランゲージを活用した「ともに生きる」高齢者ケアの実践支援の研修デザインと実施
(5) 「自然のなかの子育て・暮らし」のパターン・ランゲージの作成
(6) 「ワクワクする人生の育て方」のパターン・ランゲージの作成
(7) 「道を極める」ことのパターン・ランゲージの作成とボードゲームの開発
(8) クリエイティブ・ラーニング・コミュニティの実現を支えるパターン・ランゲージの作成と導入
(9) 商いの実践コミュニティの研究
(10) 組織の理念を具体的実践につなげるためのパターン・ランゲージの作成
井庭研究室では、より自然で創造的な暮らし・生き方・社会へのシフトを目指して、一緒に研究・実践に取り組む仲間を募集します。
井庭研では、これからの社会を「創造社会」(クリエイティブ・ソサエティ:Creative Society)だと考え、特に、自然とつながり人間らしく豊かに生きる「ナチュラルな創造社会」へのシフトを目指し、それが可能となるための支援メディア(パターン・ランゲージ)をつくるとともに、そのベースとなる理論・方法論を含む新しい学問の構築に取り組んでいます。
目指している未来社会は、「創造社会」と呼び得る社会です。しかも、自然との関わりを深めた「ナチュラルな創造社会」です。
「自然(ナチュラル)」というとき、そこには、(突き詰めると表裏一体となる)2つの意味を持っていることに気づきます。一つには、森林や海山などの「外なる自然」のことを意味しており、もう一つは、素の自分らしさと自由度をもっていきいきと生きるという「内なる自然」の意味です。これらは別ものではなく、相互に関係しており、理想的な状態では、これらは調和的に重なり合って、ひとつの「自然(ナチュラル)に生きる」ということに収斂します。
この二つの「自然(ナチュラル)」が分離してしまっていることが、現代の諸問題の根源にあると、僕は見ています。「外なる自然」と「内なる自然」のつながり抜きに、どんなに人工的に別の手をつくしても、限界があると思うのです。ですので、これら2つの意味の「自然(ナチュラル)」---「外なる自然」と「内なる自然」---がうまく重なり合うようことが可能な未来を目指したいと思っています。
そして、実は、その意味での「自然(ナチュラル)」は、「創造的(クリエイティブ)」であるということにも重なります。かつて、作家のミヒャエル・エンデは、「創造的であるというのは、要するに、人間的であるということにほかならない」と語りました。一人ひとり創造的に生きるということは、誰かがつくった(社会的に与えられた)「人工的」な人生ではなく、その人らしく(「内なる自然」の意味での)自然で人間的な人生を生きるということにほかなりません。そして、そういうことが可能なのは、人工的な環境のなかではなく、深く美しい自然(「外なる自然」)の秩序との触れ合いがある生のなかで、本当に実現できると考えているのです。
その意味で、井庭研が目指す「創造的(クリエイティブ)」というのは、何らかのメソッドやテクノロジーを用いて「人工的」に飛躍的な思考を実現するというようなものではなく、一人ひとりが本来もっている創造性を十全に発揮するということなのです。この一人ひとりがもつ創造性は、人工的なものではなく、自然(ナチュラル)なものなので、それを僕は、「ナチュラル・クリエイティビティ」(Natural Creativity:自然な創造性)と呼んでいます。世の中的にはAI(人工知能)が全盛ですが、だからこそ、僕らは人間が本来持っている「ナチュラル・クリエイティビティ」の方に着目したいのです。
「ナチュラルにクリエイティブに生きる」とは、一人ひとりがもつナチュラル・クリエイティビティを発揮して生きていくということです。そして、それが最も高まるのは、「外なる自然」とつながり調和し共鳴するときである、と考えているわけなのです。このような考えのもと、井庭研では、一人ひとりが自身のナチュラル・クリエイティビティを発揮し、「ナチュラルにクリエイティブに生きる」ことができる社会、すなわち「ナチュラルな創造社会」を実現することを目指して、研究・実践に取り組んでいます。