
数学, 物理, プログラミング
継続予定
本研究会は広い意味での「数学と計算機」をテーマとしています. 秋学期は「可視化」を主題に, 数学的な諸原理を組み込んだ視覚表現を研究します.
秋学期は, まず「数学から創るジェネラティブアート」(巴山竜来(著))を輪読する予定です. 実際にジェネラティブアート作品を作成しながら, その発想の元となる様々な数学の知識と視覚表現について学びます. ジェネラティブアートとは数学的緻密な構造に偶然性を導入した表現技法です. 書籍前半では, 連分数, フェルマーらせん, 合同算術など基礎数学の話題を可視化することでプログラミング言語Processingとジェネラティブアートの基本的な考え方を学びます. 後半は対称性がテーマです. 半正則タイリング, ペンローズタイリングといったより高度な話題にも触れます. 必要に応じて, 関連する数学的話題に関して担当教員が講義を行います.
基礎的な学習が済んだ後は, 興味と予備知識に応じて様々な選択肢があります. 数学的現象の可視化を追求しても良いですし, ジェネラティブアートの生成的な側面を勉強をすることも可能です. 候補の一つは, GAN(Generative Adversarial Network)の数学理論を抑えつつ使えるようにすることです. 学生の興味と予備知識に応じて内容は柔軟に変更可能で, 同時並行的に学習を進める可能性もあります.
もう一方の研究会に比べて, 扱う数学のレベルは全体的に高くありませんが, 十分に面白い現象を楽しむことができます. ジェネラティブアートは科学と芸術の架け橋となる比較的新しい分野で, 可能性に溢れていると考えています.