
この授業では、一人ひとりがもつ創造性を支援するためのメディア「パターンランゲージ」について、その考え方と世界観、作成方法の概要を学びます。パターンランゲージは、創造実践の経験則・型を「パターン」という小さな単位にまとめ、体系化・言語化したものです。かつて、建築家のクリストファー・アレグザンダーは、いきいきとした町や建物に繰り返し現れる関係性をパターンとして定義し、253個のパターンを抽出・記述しました。その後この考え方は、ソフトウェア開発の分野に応用され、現在でも広く活用されています。SFCでは、創造的な学びのための「ラーニング・パターン」や、創造的プレゼンテーションのための「プレゼンテーション・パターン」、創造的コラボレーションのための「コラボレーション・パターン」をはじめとして、教育、福祉、仕事、暮らし・人生などさまざまな領域でパターンランゲージが制作されてきました(詳しくは参考文献欄参照)。この授業では、パターンランゲージとは何かということから、現在どのようなものがあり、どのように活用されているのか、そして、それはどのようにつくることができるのかの概要を学びます。例年とは異なり、2022年度は授業外でのグループワークは行わず、講義を中心とし、授業内で演習を交えるかたちで実施します。