
現在、経済のグローバル化や市場経済固有の競争メカニズムが地域コミュニティに強く作用し、人間相互の結(ユイ)的な協力連携の基盤を喪失させている。
地域社会の再生は、今後の市民社会が取り組まなければならない喫緊の課題であり、特に地方分権が進む我が国では、地域住民が主体的に文化創造活動に参画し、行政や企業、民間団体とともに地域のポテンシャルを最大限に顕在化させる活動・ムーブメントが期待されている。
さまざまな「官から民へ」の動きが加速する日本において、知的で創造的な公共財であるミュージアムが、新たな「公」の創造に、いかに貢献しうるのか。
本講義では、ミュージアムリテラシーの展望と可能性を、学生と共に検証していく。