
公共選択論は主としてミクロ経済学、ゲーム理論の分析手法を用いて、政治現象を説明し、政治と経済の相互依存関係を明らかにし、法制度、社会的規範の存立根拠を解明していく学問である。ここでミクロ経済学、ゲーム理論の分析手法を採用するという事は、人や組織が、与えられた条件の下で各々固有の目的を最大限達成すべく行動するという意味で、「合理的である」という仮説に基づいている事を表す。
本講義では、こうした公共選択論の基本的な考え方が伝わる事に重きを置く為に、原則として技術的な細部に立ち入った説明は行わない方針であるが、大学院生の知的要求にも十分応える必要がある為、学部生にとってはやや高度な内容に立ち入らざるを得ない場合もあり得る。