
ICTの飛躍的な発展によって、21世紀の学習は「学習環境論」という新しい研究分野を生み出した。そして現在COVID-19の影響下、我々の日常生活を含めた教育環境全体の大きな構造変化が起こりつつある。教室内でのフォーマルラーニングと教室外でのインフォーマルラーニングが連動して自律学習環境を構築する従来の学習環境構造は、今や大きな転換期の途上にあるといえよう。「学習環境論」は、認知科学、脳科学、文化・コミュニケーションなどさまざまな専門分野との接点を持っている。またグローバリゼーションと教育、一貫教育・個別自律学習、状況学習など、新しい視点での教育・学習研究が進む中、「環境デザイン」という視点でも重要度を増している。本講義では、この重大な転換期に向けて、教育に携わる人々とテクノロジーを提供する人々とのコラボレーション、学習者のニーズへの洞察、新しい学習スタイルに効果的なコンテンツの開発、また新たな学習スタイルへの認識など、幅広い知識と実践力を備えた人材を育てることを目的に、教員4名がそれぞれのフィールドにおける研究を踏まえてICT利用の学習環境を論じ、学生による学習環境への斬新な提案を求める。理論と実践を通して新しい学習環境構築に創造力を発揮してもらいたい。