
少子高齢社会において、健康の実現は重要な社会的課題である。その課題に立ち向かうためには、一人ひとりが科学的なものの見方を身につけ、健康や医療に関する情報を適切に利用し、より良い意思決定や問題解決に役立てていける力をつけることが求められる。あふれる情報に振り回されず、主体的に情報を読み解き意思決定を行っていくことは、自らの生命を守る上で重要である。
本コースは、健康情報を読み解くためのリテラシー、基礎的な疫学の知識、エビデンスに基づく健康政策の立案やそれを支えるヘルスコミュニケーションについて、初学者が楽しく学べるよう設計している。疫学とは「人間集団における健康状態とそれに関連する要因の分布を明らかにする学問」であり、疾病の予防や治療の改善を通した寿命の延長、QOL(Quality of life)の向上を目標としている。
コースでは、まず疫学的な手法を中心とする定量的な研究方法について基本的な知識をスキルを習得した上で、そうした研究が政策にどのように生かされているのか,具体的な事例を通して理解を深める。
受講後は、卒業研究等に必要な研究デザインのスキルがある程度身についていることを目標とする。