シラバス

科目名研究会A

授業概要

学部・研究科
総合政策・環境情報学部
登録番号
04472
科目ソート
A1101
科目名
研究会A
分野
研究プロジェクト科目
単位
4単位
開講年度・学期
2022 春学期
K-Number
FPE-CO-05003-212-86
研究会テーマ

選択分析:政策と日常生活

開講年度・学期
2022 春学期
曜日・時限
火 4限 , 金 4限
授業教員名
ヴ, レ タオ チ
実施形態
対面
授業で使う言語
英語
開講場所
SFC
授業形態
※「授業形態」と「能動的学修形式」の対応についてはこちらをご覧ください。
講義, 演習, グループワーク
GIGAサティフィケート対象
非対象
研究会・来期の研究プロジェクトのテーマ予定

選択分析:政策と日常生活

詳細

講義概要

この研究会では身近なところから様々な政策課題を検討してゆきますが、そのアプローチとして身近なところから問題を掘り起こして行くケース・スタディーズという方法を採用します。自分自身を「日常」という文脈で把握しようとすると、自分の生活が所属するより大きな全体ーコミュニティとか社会ーによって構築されることが観察され、さらには既成の政策にどのようなフィードバックをかける必要があるかも把握できるようになります。
 この研究会では二つの概念ーーリスクと「日常」を取り上げます。前者が様々な分野で取り上げられているのに比べ、「日常」というのは所与として扱われたり、単に表現上の言葉として扱われやすく、操作可能な概念として扱われることはあまりありませんでした。しかし、個人の「日常」がどのように構成されているのかを理解することなしには、人間の思考とか行動が変化するとか、その人間の物理的あるいは社会的環境の変化するとかを観察することはできません。大事なことは思考とか行動の変化は必ずしもその人間の生き方の一貫性と矛盾しないということです。むしろ、自分の生き方に価値を認めるからこそ、人間は自分の考えとか状況を変えようとするのです。
 ケース・スタディーズを通して、この研究会では認知科学、心理学、行動理論、ナラティヴ分析などを参照しながら人間の生活の「分厚い記述」ー見えるものだけでなくその背景にある思考とか発想も記述ーーを作り上げます。これを通して、人間の行動を深いところで観察しながら人間の行動の背景を理解し、リスクに直面する人間がその生活環境からどのような刺激を必要としながら直面するリスクに効果的に対応するのかを検討します。この学期を通して以下を進めます。(1)リスク、意思決定理論ー特に行動経済学、フィールド調査論、問題策定などに関する「概念」をめぐる輪読;(2)二つの調査現場ーー障害児のために週末学級と地域社会(ベトナム)と火山活動が予想される地域社会(日本、裾野市他)ーーで実際に調査に手を染める;(3)ブログを共有しつつ、お互いの日常生活の理解を深める(いわば思考訓練);そして(4)履修生それぞれが独自の「生活とリスク」という研究テーマを開発する。
 このように理論から実践まで活動を広くする研究会ですので、その専門家でもあり、政治学者でもある慶応大学名誉教授で、「人間の安全保障」学会前会長の梅垣理郎博士から色々と助言をいただく予定です。
キーワード:日常生活、政策分析、意思決定理論、ナラティヴ分析、ケース・スタディーズ