
21世紀は依然世界的なエネルギー興亡の時代であることを考えるとき、我々の大きな使命の一つは、社会を支える効率的でクリーンな新エネルギーシステムを創造し、地球規模でエネルギー革命を先導するシナリオを描くことであろう。高性能電池の出現により、遂に電気は貯められるという革命的なパラダイムがもたらされ、情報とエネルギーが電子を介して統合されることで、21世紀を通して、高度情報・エネルギーネットワークが創出されてゆくと期待される。人類が初めて手にするこの無限とも思われる可能性は、未来の我々の生活にどのように大きなインパクト与え、地域・社会を含め全く新しい人工物の概念を生み出し、21世紀以降の新社会(『電池社会』)を形作ってゆくことになるのだろうか。本講義を通し、未来を生み出すための将に現在進行形の課題として、願わくは共に構想してゆけるならと考える。