
我々は、体の内外共に非常に精巧にできた形態をもち、様々な行動をし、時には自分自身が何かという問いを真剣に考えたりします。しかし、そのような複雑な生物個体であっても、その生命のスタート地点では、卵と呼ばれるひとつの球体に過ぎません。それが、時間の経過と共にオートマチックに先に述べた段階に至っていくわけです。粘土を用いて「考える人」の像を作るとすれば、多くの人はまず頭の部位、胴の部位、足の部位などに割り当てる粘土の比率を決定することでしょう。実は生物が体を作っていくために用いる設計様式(ボディプラン)も正に同じようなことを行っています。単純なルールを繰り返すことによって、複雑なものを形成していくのです。本科目では、生物が実際に用いているボディプランを学んでいただきます。