
身体運動の神経科学 〜脳と身体をひとつの"システム"として捉える〜
牛山研では、2021年度以降、研究会内のテーマの発散/議論の希薄化を抑制すべく、研究テーマは以下のプロジェクトのいずれかに属するものに限定していきます.
• 神経律動と⾝体・認知機能
脳波や筋電図の律動性や同期性の評価といった⽣理学研究をとおして、⼈間の⾝体運動の制御や学習および認知機能のシステム論的な理解をめざしています。⽜⼭研の屋台⾻となる基礎研究プロジェクトです。
・キーワード:⽪質-筋コヒーレンス、運動イメージ
・主な使用機器:脳波(EEG)、筋電図(EMG)、経頭蓋磁気刺激(TMS)、感覚電気刺激
• スポーツとリハビリテーションの科学
基礎研究の研鑽を応⽤し、アスリートや芸術家、運動障害をもつ患者さんの脳-⾝体システムの評価や,神経系機能のトレーニング法の開発をめざしています。病院との連携・最新の⾏動計測を通じて、社会貢献をめざす。⽜⼭研の応⽤研究プロジェクトです。
・キーワード:運動学習(とくに両手運動)、聴覚運動連関、立位姿勢制御、日常動作解析
・主な使用機器:ロボットマニピュランダム(KINARM)、ワイヤレスEMG、TMS、モーションキャプチャ、フォースプレート
• ⾝体とこころのインタラクション
⾝体とこころはどのように関わりあっているのか?⽇常⽣活からわきあがる素朴な疑問にアプローチします。実験⼼理学的な実験アプローチから,⽜⼭研の新機軸の確⽴を⽬指しています。
・キーワード:ワーキングメモリ、時間知覚、感覚ゲーティング
・主な使用機器:自ら実装したプログラミングソフト
また2022年度より牛山研は積極的なアウトリーチ活動に打ってでます。具体的には研究室で得られた科学的な知見をわかりやすく解説したり、研究室での日々を中高生に紹介するようなYouTubeプロジェクトを企画・準備中です。こうした取り組みの企画や運営、動画編集に関わる「アウトリーチ班」のメンバーも募集していますので、こちらを希望する学生も歓迎します。
講義概要
私たちの脳と⾝体は、神経信号という名の情報をやりとりしながら、⾃らを動かし、環境と触れ合い、多くのことを感じています。私たち⼈間の根源的な営みともいえる「⾝体運動」は、どのように⽣み出され、調整され、学習されているのでしょうか?本研究会では、脳のみ、⾝体のみ、にズームインしすぎることなく、「脳⇄⾝体⇄環境」のあいだでやりとりされる情報を生理学的/心理学的に読み解くことで、「⼈間」という存在の神秘と本質を理解することを⽬指します。