
日本と世界の国際政治は大きく変容している。特に日本をとりまく東アジアでは、日本海、東シナ海、南シナ海においてそれぞれ緊張が高まっており、防衛政策の見直しが急務となっている。日本の防衛計画の大綱は最初に1971年に作成され、1995年まで見直されることはなかった。しかし、その後は2004、2009、2013、2018年と短い間隔で見直されるようになっている。本講義では、日本および世界の国々で採用されている防衛政策を比較・分析を行うとともに、従来の陸・海・空に限られていた作戦領域が宇宙やサイバースペースに拡大している現状や、地球温暖化に伴って注目されるようになっている環境安全保障や氷が溶けることで戦略的価値が高まっている北極海の問題、あるいは多様な技術的発展が防衛政策に与えている影響について検討し、平和を維持していくための防衛政策のあり方を講義していくことにしたい。