
本講義ではメディアが政策形成に果たす役割について多面的に論じる。メディアは、行政、立法、司法に次ぐ第四の権力と呼ばれる。かつては新聞やテレビといったマスコミュニケーションが主だったが、ここにはインターネットなどの電子メディアも加わるようになっている。しかし、メディアが権力のチェック機能を果たすとともに、世論形成に果たす役割も大きい。権力のチェックと世論形成という二つの役割は、政策形成においても重要な役割を果たすことになる。行政において政権を担う人々、立法において法案作成を担う人々は特に新聞の社説が持つ力を重視している。本講義では、日本経済新聞において社説や署名入りコラムを担う論説委員および編集委員たち11名が、それぞれが専門とする分野における政策形成にメディアが果たす役割について論じる。
13回の講義のうち前半はデジタル化によるメディアの変容や国内の政策形成との関係を論じ、後半は米国や中国、韓国など各国の政策形成とメディアの関係を論じる。