
AI技術の本質のひとつは知的労働の自動化にある。知的労働のエクストリームとして、芸術創作活動にならび自然科学研究が挙げられる。現実に先端的な科学研究の現場では、AIをはじめとする情報技術とロボット技術の急速な浸透、つまり研究室のサイバーフィジカル化が進みつつあり、AIが駆動することによって科学研究の進展自体が大きく加速する将来像が間近に迫っている。
この科目では、実験ロボットと接続したAIが実験を繰り返しながら新しい知識を発見する現場を演習による体験を交えて学修する。プログラミング言語Pythonを用いて制御できる液体分注ロボットを教材に用いて、履修者が書いたプログラムでロボットを動かし、また自らの身体を用いて同じ実験を実行する実習を通して、ロボットの身体性、ロボットによって自動化される科学実験の姿について体感しながら考察を深める。