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科目名槇文彦建築とアーバニズム思想 (寄附講座)

授業概要

学部・研究科
総合政策・環境情報学部
登録番号
49162
科目ソート
X1104
科目名
槇文彦建築とアーバニズム思想
分野
特設科目
単位
2単位
開講年度・学期
2022 秋学期
K-Number
FPE-CO-06103-211-23
学部・研究科
政策・メディア研究科
登録番号
49177
科目ソート
95048
科目名
槇文彦建築とアーバニズム思想
分野
特設科目
単位
2単位
開講年度・学期
2022 秋学期
K-Number
GMG-MG-67303-211-23
開講年度・学期
2022 秋学期
曜日・時限
火 2限
授業教員名
小林 博人,池田 靖史,渡部 葉子,大沼 徹
実施形態
対面
授業で使う言語
日本語
開講場所
SFC
授業形態
※「授業形態」と「能動的学修形式」の対応についてはこちらをご覧ください。
講義, 演習, グループワーク, 遠隔あり
GIGAサティフィケート対象
非対象

詳細

講義概要

プリッカー賞をはじめとする多数の国際的な表彰を受けた槇文彦氏(1928-)は、長年にわたる設計活動とその作品について全世界から称賛される世界屈指の建築家です。我々のキャンパスの設計だけでなく、慶應義塾の多くの建物を手掛けられ、特に藤沢、三田、日吉の全ての図書館がその作品であることは象徴的です。日本でも建築学会賞を2回受賞し、東京体育館、幕張メッセ、横浜市庁舎などたくさんの作品を残されていますが、むしろ特筆すべきはその国際的な活躍と評価にあります。日本で設計活動を開始する以前からハーバード大学デザイン大学院にて教鞭を取り世界の建築界に幅広い交流ネットワークを持っていただけでなく、日本の建築思想を世界に紹介する実践的な理論家として認められていました。1960年代からメタボリストの一人として、建築設計作品と著作を通じて日本の建築文化を紹介し、江戸から続く日本の都市とその空間性をモダニズムの世界的潮流の中に位置付けたその思想は環境におけるローカリズムとグローバリズムの相克の観点から世界中の注目を集めました。ニューヨークWTC跡地、 MITメディアラボ、インド・ビハール博物館、シンガポール工科大学、アガ・カーン財団ロンドン本部、深セン世界文化センターなど、世界各地に地域と時代を象徴する建築物の設計者に招請されてきた事実が、何よりその高い評価を示しています。
慶應義塾大学SFC は槇文彦氏からの意向を受け、氏が所有・保管されている、スケッチ、図面、模型、写真、自身の著作原稿、刊行物や通信書簡などによる国際的な思想交流の軌跡などの貴重な資料ご寄贈を受け、将来にわたって内外の研究・教育活動に活用するために、収集整理・保管収蔵および展示やデータによる公開することを決めています。氏が設計したSFCの空間全体がその建築・都市デザインを見渡すメディアセンター4階を改修した「槇文彦アーカイブ・ルーム」をオープンし、慶應義塾の教育思想の体現をしてきた槇文彦氏の建築作品を世界中からの訪問客に展示して紹介するだけでなく、歴史的研究資料として、在学生はもちろん、世界中から利用されるデジタル・アーカイブ化を目指しています。資料の単なる画像データ化を超えて多角的で先端的なデジタル・コンテンツ化を目指して、慶應義塾大学アート・センター や慶應義塾ミュージアム・コモンズ 、慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究センターとも連携をとっていく予定です。
この授業は、槇文彦氏の作品と足跡を通じてアーバニズムの国際的潮流や設計活動の歴史的な意義を理解すると同時に、建築設計を学ぶものが身につけるべき要素や応用可能な具体的知見が蓄積されている教材として、分析的な成果を作成すること自体を学びの機会にする授業です。建築におけるヒューマニズムのあり方を標榜した槇文彦氏の思想について、特に建築と都市デザインの学習と研究を目的にした学生にアーバニズムの国際的潮流と建築家・槇文彦の作品と思想の貴重な資料を保有する立場を活かした実践的な学習過程を提供します。