日本に古くから伝わる「折紙」は、紙を折って形を作る遊戯の1つであるが、薄い素材を折ることで形を作る技術、またはものを小さく折りたたむ技術として、工学、医療、数学、アート、教育などの幅広い分野で研究対象とされている。現在、世界的に origami という日本語由来の表現が広く用いられ、国際的にも活発な議論がされている。本講義では、折り鶴などに代表される伝承的な折紙だけではなく、これらの科学的な諸分野における折紙の姿について、その幾何学的な性質から工学的な応用、数学分野の諸問題との関係など、幅広い領域における係わりを学ぶ。また、近年の国際会議などで発表される研究内容など、最先端の技術についても解説することで、今後の折紙技術の展望についても学ぶ。
さらに、講義全体を通して、さまざまな「折り」の体験を通して、自ら新しい折り方を見出す力を涵養する。