
「性格も寿命も遺伝する」 まさかと思うかもしれませんが、少なくとも部分的には遺伝子によって生まれつき既定されていることが最近の研究でわかってきました。 昨今のゲノム解析技術の急速の発展により、各個人の遺伝子情報が高速かつ安価に解析できるようになり、病気の治療や予防に遺伝子情報を役立てる研究も進んでいます。「バイオの時代」とも言われる21世紀においては、遺伝子診断や遺伝子治療のほか、iPS細胞の技術による臓器の再生、クローン羊や遺伝子組換え作物など様々なバイオテクノロジーが実用化され、それらが社会に与える影響や倫理問題なども議論する必要があります。単なる感情論で終わらせないためには、遺伝子のしくみや働きをきちんと理解することが重要です。本授業では、遺伝子レベルおよび分子レベルの生命現象の基本を学びながら、老化やがんなど生命科学の謎についてみんなで考えます。