
本講義のテーマはヨーロッパ言語共通参照枠(Marco común de referencia para las lenguas, MCER)の2017年の補強版に新たに提示された外国語による仲介活動を理論的に理解し、実践的な練習をするものです。補強版では、言語による仲介活動はまず(1) テクストの仲介、(2) 概念の仲介、(3) コミュニケーションの仲介という3つに分類されています。
本講義では、特に、(1)から(3)のすべてを網羅する言語活動として、スペイン統計局が示す様々な社会情勢に関するインフォグラフィックスや、スペイン語圏の様々な社会、経済、企業経営等に関する情報が含まれるグラフ、図、チャートを読み取り、他者にわかりやすく伝達するプレゼンテーションを目標とする仲介活動として据えます。
講義では、まず、ヨーロッパ言語共通参照枠(MCER)とはどのようなものか、また、その理念スペイン語教育に反映した指導要項Plan curricular del Instituto Cervantes (PCIC)とはなにかを学びます。また、言語活動には、受容的活動、産出活動、相互行為的活動、仲介活動があること、その中の仲介活動をCEFR補強版やPCICはどのように捉えているのかを理解します。具体的に、スペイン語での仲介活動とはどのように定義されているかを含めた理論的な基礎を学びます。
理論的な基礎を学習したあとに、スペイン語で表現された様々な教材を使用しスペイン語による仲介活動の練習をします。
講義の後半は、実践練習に重点を置き、自らが取り組んでいる卒論についてインフォグラフィックを作成しスペイン語で説明できるようになることが目標のひとつです。