シラバス

科目名研究会B (1)

授業概要

学部・研究科
総合政策・環境情報学部
登録番号
04707
科目ソート
A1102
科目名
研究会B
分野
研究プロジェクト科目
単位
2単位
開講年度・学期
2023 春学期
K-Number
FPE-CO-05003-211-85
研究会テーマ

臨床と教育

開講年度・学期
2023 春学期
曜日・時限
木 4限
授業教員名
國枝 孝弘
実施形態
対面
授業で使う言語
日本語
開講場所
SFC
授業形態
※「授業形態」と「能動的学修形式」の対応についてはこちらをご覧ください。
講義, 演習, グループワーク
GIGAサティフィケート対象
非対象
研究会・来期の研究プロジェクトのテーマ予定

詳細

講義概要

 臨床と聞くと医療分野を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし教育においても臨床はとても重要な営みです。教育における臨床とは、学んでいる人にしっかりと寄り添い、その人の普段意識をしない声にならない声をしっかりと聞き取ることを意味します。  
 たとえばある効果的な学習方法があるとしましょう。その方法で95%の人がスキルを身につけられるとしましょう。このようなケースにおいて、臨床における教育は、95%を100%へと精度をあげていく教育ではありません。そうではなく5%のこぼれ落ちるかにみえる学習者のために、彼らに寄り添い、一般化できない学びに言葉を与えていくことが臨床の目的です。  
 個々の学習者にとってかけがえのない体験を意識化する=個別性を認識することこそ、これからの教育に求められていることだと考えています。  
 もちろん教育は個人的な体験だけにとどまりません。むしろ自分が変わってゆくなかで、自分と他者、自分と異なる世界との関係をどう作り上げていくか、「異なるものとの関わり方」にも必然的に目を向けてゆくことになります。例えば異文化間教育の意義もこの点にあります。  
 この研究会では「学習者に声を丁寧に聞き取る行為」を臨床と名づけ、人々の学びの道程に付き添って、観察し、そして人々の学びの継続の意義の深さを研究することを目指します。  
 担当者の教育分野は外国語ですが、それ以外の分野についても研究計画書で判断して、研究会の他の学生と協働しながら進められると判断すれば、選考の対象とします。
 ちなみに22年度の4年生の卒論テーマは以下の通りです。
・公教育における美術の授業の立ち位置と成績評価 
・地方公立高校における進路指導 
・大学生家庭教師とその生徒と家庭との間に生まれる固有の関係性~「居場所的役割」に着目して~ 
・大学生から振り返る進路指導のあり方〜中高一貫校に目を向けて〜
・私立大学に通う精神疾患を抱える学生の大学生活の「苦しみ」の実相と「大学の支援機能・制度」の関係性〜当事者の声から支援制度のあり方をみつめなおす〜