
機能性RNA研究
前世紀の終わりごろから、数多くの生物種において、ゲノムの完全長塩基配列が決定されてきた。これらゲノムプロジェクトが科学の各分野に与えたインパクトは計り知れない。我々は生物種の設計図を手に入れたということもできるだろう。また、 21世紀になってから極めて沢山のNon-coding RNAが発見されたことで、セントラルドグマにおけるRNA分子そのものの働きが無視できない状況になってきた。本プロジェクトでは、遺伝子制御に関わる機能性RNAやRNA結合蛋白質、およびRNA関連酵素に焦点をあて、 RNAレベルで制御されるような制御機構やその分子進化に関して研究を行う。特に今回のプロジェクトでは、具体的なテーマとして以下(a)~(c)を設定する。 (a) 大腸菌におけるCsgA-peptideのキメラ遺伝子発現システムの構築。(b) エボラウイルスの起源をウイルスタンパク質の分子進化から推定する。(c) バクテリアCSPタンパク質を核酸結合性タンパク質として解析する。