
アイヌ語は日本語とは全く異なった独自の特徴をもつ言語です。アイヌ語は、日本社会の言語でありつつも、大学などで学ぶ機会は依然として非常に限られています。しかしながら、近年では、大学生を含む若い世代の中でアイヌ語を回復しようとする幾つもの新しい動きが生まれており、いわゆる「危機言語の復興」という分野において、世界の最先端の取り組みがアイヌの人々自身により進められています。このコースでは、アイヌ語の基礎とその口承文学を通じて見えてくる豊かな文化の世界を中心に学びつつ、これがどのような先住民による「近代」の経験を背景としており、先住民言語の「近代化」がどのような課題を伴うものであるかについて、人類学(社会人類学、文化人類学、言語人類学)、社会言語学、文学を中心とした分野を土台に考察していきます。
※2021年度より大学院との併設科目として開講されています。隔年で日本語と英語で開講しており、2023年度は日本語で開講します。