
気象学
急峻な地形を伴う日本では、多くの場所で特徴的な風が吹くことが知られる(例えば、六甲おろしなど)。このような局地的に吹く風のことを局地風とも呼び、その地域の人々にとっては身近な存在であり、その地域の天気においても重要な役割を担う。局地風は陸地の山間部で生じることが一般的であるが、島の近傍でも特徴的な風が吹くことが分かっている。山間部では局地風によってしばしば雨がもたらされることも指摘されているが、島での関係性はまだ未解明の点も残る。そこでこの特別プロジェクトでは、雨の多い日本において最大の年間雨量が最も多い屋久島に注目し、島内の複数地点で風や気温などの気象変数を同時に測定し、島全体でどのような風が吹いているのか、もし降雨が生じたら晴天時と何が違うのか、といった点について観測を行い、得られたデータを解析する。その結果、屋久島における局地風の特徴と、その降水との関係性を理解する。