
気象学
日本には多くの島々が存在し、そこには海に囲まれた土地という条件から、島独特の局地的な風が吹くことが知られている。また、特に日本海の島は、本州などと比べて大陸に近いため、大陸からの物質輸送も顕著であることが分かっている。その中でも島根県の沖合に位置する隠岐島は、大陸から近く、ジェット気流で特徴づけられる西風の下流域にあたるため、汚染物質などが飛来することから、気象庁や環境省の重要な観測地点として日々データを測定している。そこで、本特別プロジェクトでは、このように観測上非常に重要な隠岐島にて、風や大気汚染物質、海塩粒子など様々な変数を終日測定し、気象庁などが提供する同じ時間の本州の測定データと比較することで、島と本州でどのような違いがあるのか、物質の輸送にどの程度の時間がかかるのか、どの程度の拡散されつつ輸送されるのか、などといった点を明らかにする。具体的には、観測により得られたデータと、同じ時刻の気象庁の測定データを解析することで、上の疑問点を明らかにする。