
この科目では、担当教員が興味を抱いてきたテーマや対象(現時点で確固たる研究の形になっていない未成果的なものも含む)、拘ってきた研究手法、そこに至るまでの初期の着眼、違和感、試行錯誤について本人が語り、それに対して、共同担当教員と履修者が議論するものである。
学界や社会ですでに評価・価値が確定したものではなく、担当教員が今まさに格闘しているものごとを採りあげ、学問的なお作法や評価の定まった枠組みに過剰に囚われることなく、自らの学問を切り拓いていく態度そのものに履修者が触れ、考える機会としたい。
ご存知の通り、担当教員(諏訪と内藤)は全く異なる学問分野に属する研究者であるが、生と命を多角的に捉えんとする点で、思いを共有している。各々が生と命についてどういう着眼に基づいて何を語るかには、互いに大いに興味がある。学術領域を越境し学問を切り拓く際には、個人的素因・動機・違和感の突き動かされるとともに、異分野の研究者と熱く交流しながら新しい境界領域をつくりあげていくものである。担当教員が語り議論する様に接することから、学問とはなにか、開拓的に学問をする態度はどうあるべきかを履修者が自ら考えることを期待する。