
日本は四方を海に囲まれ、海上輸送による国際交易や漁業など海と密接し経済的発展を遂げてきた。とりわけ日本はエネルギーの99%以上を海運に託し、海上の輸送ルートは日本の生命線であると言っても過言ではない。ところが、日本の周辺海域には尖閣諸島周辺海域における中国船舶の活動や国際法を遵守しない海洋調査船の活動、日本海や小笠原諸島沖における大規模な違法な漁業活動、北朝鮮の不審船の活動など、多種多様な脅威が存在する。このような脅威に対して、国際法と国内法に基づく海上法執行により、いかに対応できるのか。講義では国際海洋法を含む国際法を参照しながら、それぞれ具体的な事案において法執行がどのように機能しているか分析を試みる。