
日本では現在、少子高齢化や人口減少、世帯構造の変容などによって特徴づけられる縮小社会の到来が問題となっている。気候変動に伴って生じた新たな課題も見過ごすことができない状況にある。本授業では、日本と同様の課題を抱えるドイツに着目する。ロンドン、パリへの一極集中がみられたイギリスやフランスとは異なり、多中心的構造を堅持しつつ都市化が進展したドイツでは、いまなお都市の役割が大きく、連邦・州・都市自治体の協働のもと、将来につながる発展可能性を担保する都市計画プログラムが展開されている。このプログラムを手がかりに、ドイツの諸都市の特質を明らかにしていくとともに、日本の地域活性化へのインプリケーションを得ることが本授業の目的である。