
総合政策学・環境情報学を含む全分野の研究者が、配列解析の方法を応用して、独自の分野(生物学、言語、写本、音楽など)の問題解決に取り組む。
配列解析は、ゲノム(DNA)やタンパク質(アミノ酸)などを表す様々なテキスト配列を分析する幅広い分野である。生物配列解析には、遺伝子機能の予測、系統関係の推定、祖先配列の再構築などが含まれる (Coghlan, 2017; Hall, 2017)。例えば、ウイルス配列データから推定された系統樹は、ウイルスの発生、地理的な拡散、適応的変異を推定するために利用できる(Martin et al., 2021)。配列解析の方法は、生物学の分野のみにとどまらず、写本の系譜(Barbrook et al, 1998)や音楽の類似性評価 (Savage et al., 2018) などにも使用されている。このように、配列データ解析に必要なテキスト処理スキルは、他の分野のデータ解析にも適用できる。
この科目では、配列データの解析に使用される主要なツールとデータベースを紹介し、それらを組み合わせて生物学的な問いに取り組む方法を説明する。