
国家が提供するサービスはどこまで市民生活の安全を支えることができるのか?本科目では、公共のサービスを提供する国家の役割を精査することで「人間の安全保障」(あるいはその欠如)を検討し、合わせてその限界が生み出すリスクを明らかにする。
公共のサービスを提供する国家(あるいはその権威の許で機能する政府)とそのコスト(税金など)を負担する市民は一定の契約関係にあると考えてよいが、この契約範囲の大小によっては国家は夜景国家とも福祉国家とも呼ばれる。この契約関係を前提として市民が営む「日常」とはどのようなものなのか?この契約を前提としても、国家の政策が市民全体で享受できるものであるとは限らないし、それどころか全く不十分である場合も多い。さらに、そうした政策は市民の自立性を犠牲にしてしまう場合も十分に考えられるし、そうした例も数多い。
この科目では上記のような疑問、課題をヘルス、治安、教育などの分野でのケースを複数の国の例を取り上げながら検討してゆく。