
時空間認識と自己意識の社会学
未定であるが、例年では、社会学を中心に文献を読んでいる。
2024年度秋学期は、近代における時空間認識と自己認識の変化という観点から、主に社会学の古典を読む。現代社会で求められることが多いタイムマネジメント、未来に関する計画性、それらに基づいて行動する自己という世界認識は、決して人間に本来的に備わった認識形態ではない。それは近代になってから広がったもので、人間に可能性と抑圧の双方をもたらしている。この問題は20世紀の多くの社会学者の問題関心であり、その観点から読み直すことで古典の理解を深めることができる。
毎回一人の受講者に20分程度の報告と論点提起をしてもらったうえで、担当者の追加の講義を行い、受講者がみな討議する。全員が課題図書を読了していることを前提に、受講者相互のディスカッションや教員との質疑応答を重視していきたい。