
学習は簡単ではない.教師は教えたい「こと」を外化し,⽣徒は外化された「もの」の解釈を通じて「こと」を⽣成する.両者の「こと」は⼀致はしない.⼀致しなくとも或るオーバーラップがあれば学習は成功であると考える.近年の学習理論は⽣徒の「こと」を醸成する学習の場のデザインに重点を置く.教師は教壇に⽴ってしゃべるのではなく,学習の場をデザインするコーディネータとしての性格を強く要請される.
本講義では,場を如何にデザインすれば学習が成功するかを実践的に探究する.デザインで考慮すべきことは,⽣徒教師間インタラクション,⽣徒間の協調的インタラクション,場の形や距離,机や椅⼦などのハードウェア,⾝体による能動的⾏為など多岐にわたる.教室内で,もしくはキャンパスに出て実践的デザインを試み,試⾏錯誤と議論から場のデザインに関する⽅法論を学ぶ.(従来は、皆がface-to-faceで集い、空間をつくり、味わい、つくり直すアイディアを練る方式で授業を進めたが、オンライン講義として新しい形を模索しながら進める)