
本科目は、建築の基礎演習を修了した大学院生を対象に、設計およびエスキースに関する知識と技術を培うことを目的としています。本科目では、建築単体の設計に留まらず、既存のコンテクストや地方における自動車社会、周囲の自然環境を注意深く読み解き、建物やオープンスペースの設計を通して、地域全体の活性化につながる提案を試みます。さらに、建築を取り巻くコミュニティや地域社会、自然環境、人々の暮らし、利用可能なリソース、素材選択といった要素を包括的に検討し、持続可能な視点から「その場所にふさわしい建築とは何か」を探求します。
この授業の目的は、履修生が提示された課題に対して、徹底的なリサーチと分析を基に、その土地や文脈に最適なデザインを創出する力を養うことです。また、持続可能な都市や地域の未来を視野に入れ、批判的かつ創造的に建築とその周辺環境を総合的に設計するスキルの習得を目指します。指導は、建築設計の実務を行っている教員が中心となり、スイスや日本での建築実績、スイスにおける都市デザインの見識を有し、多角的かつ専門的な視点を持つ教員が担当します。