
●世の中には、様々な社会問題があり、それに対して、政府は様々な政策を実行しています。他方で一歩引いて考えてみると、概念的には、経済学的な「市場の失敗」があるからこそ政府部門が必要であり、「政府の失敗」があるからこそNPO等のサードセクターを含めた民間部門の役割も増してきています。
●その結果、個別の社会問題における政府部門と民間部門の関係性は、「政策の作り手」と「政策の受け手」という単純な図式を越えて、複雑な関係性を築いています。したがって、自分自身の仕事が公務員ではなく大企業の従業員やスタートアップの起業家、社会起業家だったとしても、社会問題の需要側としてはもちろんのこと、社会問題の解決を担う供給側としても、多くの人は公共政策の当事者となりえます。
●本講義では、そのような公共政策の当事者となる上で求められる、政策形成やその評価、修正のプロセスについて焦点を当てます。