
大都市の郊外部や地方都市の周辺地域のまちづくりでは、道路や鉄道の延伸・大規模な共同住宅や商業施設の開設などによって都市化が進み、それに伴い地域住民の生活のありかたも変容してきました。新たに付与された利便性に期待や魅力を感じる住民がいる一方で、住み慣れた地域の変化に喪失感を感じる住民もいます。各自がどのように感じるかは一連の開発が完了してからでないとわからないことが沢山あります。地域住民の声を集めて新たなまちに対する振り返りをするには、住民がどう思っていたか、まちの開発が始まる前に記録しておくべきでしょう。
そこでこの講座では、鉄道延伸計画をもとに近く地域開発が始まりつつあるSFCの周辺地域を対象に、フィールドワークやインタビューを通じて、住民が大切にしている価値感について考える機会を提供します。またそうした価値感は地域で適格に言語化できているか、フィールドワークを通じて考えていきます。
また開発を計画する側が認識する地域課題とその解決策についても学びます。開発という1つの事柄を両方から知る経験を通じて、将来地域で住民が関わる計画に携わる際に、相手の立場を理理解した上で、置かれた立ち位置に応じて対応していく力を養います。