シラバス

科目名研究会A

授業概要

学部・研究科
総合政策・環境情報学部
登録番号
35447
科目ソート
A1101
科目名
研究会A
分野
研究プロジェクト科目
単位
4単位
開講年度・学期
2024 秋学期
K-Number
FPE-CO-05003-211-86
研究会テーマ

現代中国研究と国際政治

開講年度・学期
2024 秋学期
曜日・時限
火 4限 , 火 5限
授業教員名
加茂 具樹
実施形態
対面
授業で使う言語
日本語
開講場所
SFC
授業形態
※「授業形態」と「能動的学修形式」の対応についてはこちらをご覧ください。
講義, グループワーク
GIGAサティフィケート対象
非対象
研究会・来期の研究プロジェクトのテーマ予定

現代中国研究と国際政治

詳細

講義概要

いま国際秩序は大きな変動期にあります。国際社会が共有していた価値と利益に対する認識は流動し、国際社会が了解してきた規範や制度といったゲームのルールは動揺しています。日本社会は、既存の国際秩序のなかで平和と繁栄を享受してきましたが、そうであるがゆえに私たちにとって必要なことは、この秩序の変動を感度良く捉え、冷静な現状分析を行い、対策を考え、それを発信し、実践する能力です。

私たちの研究会が研究の対象とする中国は、国際秩序の変動を牽引する主要なアクターです。もはや中国は、恣意的なイメージをもてあそんで安閑としていることの許されない巨大な対象です。急速な経済成長にともなう中国の国力の増大は、国際社会における力の分布に変化を生み、国際政治の力学に大きな影響をあたえています。

本研究会は、中国政治のメカニズムの特徴、そして、そのメカニズムを生じさせる社会的文脈の特徴への理解に努め、現代中国の政治外交への接近を試みます。さらに研究会の活動をつうじて私たちは、「中国とどう向き合うのか」を考え、私たちの未来を展望する手掛かりを得ます。

中国の政治外交に関する研究は、私たちにとって重要な、いま一つの問いと向き合う機会を提供してくれます。いま権威主義の台頭と民主主義の後退への警鐘が鳴らされています。元来、権威主義国家の政治は不安定であり、国家の経済発展と安定を実現するためには自由民主主義の政治が条件と見做されてきました。しかし、中国はそうした展望とは異なる現実を示しています。なぜ中国政治は一党支配を維持してきたのでしょうか。なぜ中国社会は一党支配を受け入れてきたのでしょうか。中国研究をつうじて、世界の過半数以上を占める権威主義国家の政治、そして権威主義国家がいま、急速に影響力を拡大している国際政治を理解する手掛かり手にすることができるはずです。

本研究は、現代中国の政治外交に関する理解を深めるために、また権威主義国家を理解するための手掛かりを得るために、現代中国政治研究や比較政治研究に関する文献を材料に議論をして、中国政治と権威主義政治、国際政治を体系的に理解するために必要な知的な基盤を構築します。いわば本研究会は、中国の政治外交を題材にして、日本社会と皆さんが国際社会において活躍するために必要な中国と権威主義政治と国際政治に関する知識と、体系的な理解にもとづいた分析と発信を行うために必要な知的訓練をおこなう場といえます。