
本講義は,記憶・学習・認知・知覚・運動など,ヒトをヒトたらしめる機能を支える脳・神経系を研究対象とし,世界水準の神経科学研究を推進する力をトレーニングする科目である.神経科学界にある多くの実験手法(脳波や筋電図などの神経活動を『記録』するメソッド,中枢神経系や末梢神経系を『刺激』するメソッド,行動計測から背後で動く神経活動を計算論的に・実験心理学的に『演繹』するメソッド,など)について,その計測原理をレクチャーするとともに,これらのメソッドを用いてどのように神経コミュニケーションの実態が理解されてきたか,担当者が厳選した論文二編を題材としながら学んでいく.輪番で論文内容の発表者や指定討論者を立てながら,学生間のインタラクションを通じて理解を促していく.あわせて,時代背景のなかでそれぞれの研究がどのようなインパクトを世に放ったか,担当者なりの私見を提示することで,学術論文との向き合い方を示していく.ひとりひとりの学生が毎回異なる立場からハイインパクトな研究に触れることで,世界で通用するニューロリサーチを展開するための地盤を築いてもらう.
講義はZoomを用いたオンライン開講とします。