シラバス

科目名研究会A

授業概要

学部・研究科
総合政策・環境情報学部
登録番号
45789
科目ソート
A1101
科目名
研究会A
分野
研究プロジェクト科目
単位
4単位
開講年度・学期
2024 秋学期
K-Number
FPE-CO-05003-211-23
研究会テーマ

1) ”勤勉な都市”ーデジタル時代におけるアーバン・インダストリーの新しいかたち
2) 次の1000年をデザインする:山と海が接するまちの未来
3) インドにおける移住型労働者のための新しい居住形態の提案(*小林博人研究室との共同プロジェクト)

開講年度・学期
2024 秋学期
曜日・時限
月 4限 , 月 5限
授業教員名
細谷 浩美
実施形態
対面
授業で使う言語
日本語
開講場所
SFC
授業形態
※「授業形態」と「能動的学修形式」の対応についてはこちらをご覧ください。
演習, グループワーク
GIGAサティフィケート対象
非対象
研究会・来期の研究プロジェクトのテーマ予定

次の1000年をデザインする:山と海が接するまちの未来

本研究会は2023年秋に始まりました。秋学期では、日本国内の地方都市を対象に調査を行い、人口減少や経済縮小が進行する地域において、将来的な変革の必要性を探求しました。特に、地域社会がどのようにして長期的な視点に基づく持続可能なモデルへと移行できるかに焦点を当てました。

2024年春学期からは、より実践的な取り組みにシフトし、特定の地域を選定してインテグラル・デザインという設計手法を用いた具体的なマスタープランの設計に向けた準備を進めました。通常の地域再生で考える持続可能性の10年、50年といったスパンではなく、1000年という長期的な視点で考察するとどうなるのかを考えます。

過去1000年の歴史と未来1000年を見据えることで、これまで考えもしなかった時間軸で土地の変化や人々の営みを捉え、情報や知識をどのように記録・保存し、次の世代へ引き継ぐかを考える必要が生じます。長期的な視点に基づいて、地域の文化、環境、経済が持続可能であり続けるために必要な情報を体系的に保存し、将来にわたって活用できる方法を模索します。

さらに、「成長を前提としない持続可能性」という理念に基づき、成長のみを追求せず、地域の規模、文化、環境を維持することを重視しています。物質的な消費を抑え、地域資源を効率的に利用することで、より豊かな生活を目指します。また、小規模なコミュニティが自らの文化や環境を維持しながら持続可能な社会を築く方法を探ります。これにより、環境への負荷を最小限に抑えつつ、住民の幸福度を向上させることが可能となります。

神奈川県大磯町をはじめとする日本の地方都市におけるケーススタディを通じて、1000年先の未来に思いを馳せ、各地域が持続可能であり続けるための情報アーカイブの方法論と、それに基づいた発展モデルを研究します。

本研究プロジェクトは、日本における従来のまちづくりの手法とは異なるアプローチを採用しています。経済成長に依存しない持続可能性の概念を中心に据え、トップダウン方式とボトムアップ方式を効果的に組み合わせ、さらにアナログとデジタルの手法を統合することで、より包括的かつ革新的な都市デザインの実現を試みます。

詳細

講義概要

都市はもともと、生産、商業、就労、居住などの機能が物理的かつ機能的に混ざり合った複合的な空間であった。しかし、近代産業の勃興に伴い、これらの機能を空間的に分離するためのゾーニング規制が導入された。現代においては、デジタル技術の進化により、産業がよりデジタル化され、エミッションフリー化が進み、大量生産よりもイノベーションに基づくものとなる中で、これらの規制が有する機能や意義を再評価する時期にある。同時に、ライフ・ワーク・スタイルの見直しによって、都市のモビリティとエネルギー消費の持続可能性を向上させる方法について考察することが求められている。また、デジタル・ディスラプション、移民、人口動態の変動といった要因が都市環境を不安定化させる中で、社会的公平性とレジリエンスを重視した都市圏を形成する好機(チャンス)はどこにあるのか? (The Industrious City, 2021, Lars Müller Publisher)。