
本講義の目的は「政策ケース」をつくることである。
学生は「政策ケース」をつくり、またこれを使いながら討議を重ねることにより、公共政策における意思決定とアクションプランの策定、政策形成、政策決定、政策実施上の出来事にかかる成功体験の評価をつうじて、様々な課題の主要な要因の抽出や理解、それらの分析のためのスキル・テクニックの習得など、総合政策(問題発見と問題解決)のプロフェッショナルとして必要な多様な能力を実践的に鍛えることができる。
「政策ケース」には、ある特定の政策課題についての政策立案の過程(「政策課題の発見」→「政策形成」→「政策決定(選択)」→「政策実施」→「政策評価」に到る政策過程のなかの政策形成から政策決定を中心にした部分)が描かれている。この「政策過程」には、現実社会の問題を解決するために必要な、人や組織や社会を動かす先端的、専門的、かつ領域横断的な知が埋め込まれている。
以上の認識を踏まえて本講義をつうじて学生は、「実践知」(政策過程)を追体験し、「実践知」にかんする知を結集した「政策ケースブック」をつくり、SFCの新しいアカデミックコモンズを創造する試みに参画することになる。